気づかなくても
いつまでも心の奥底で
引っ掛かっていた。
私のキモチ
僕のキモチ
あなたへのキモチ
君へのキモチ
変わらない日々を
過ごしてると
曖昧になる
キモチ
太陽が眠るたびに
月が起きるたびに
繰り返せば繰り返すほど
いつのまにか想う気持ちは絆とともに強くなっていた
『勿忘草〜ワスレナグサ〜』
「ねえねえ?さくらさんって大野君と杉山君と仲いいよねっ!」
「小学校からクラス同じだったからねぇ」
「いいなぁ〜あんなカッコイイ二人が幼なじみなんて…でっ!どっちが好きなの?」
「へっ?」
そんなの考えたこともなかった…
いつも周りが二人の事で騒いでて、私は告白やらなんやらに協力したりしてたし…
「二人とも仲のいい友達だよ」
「え〜ほんと〜?でも、さくらさんがそう思ってても二人はそう思ってないかもよ〜?」
「えっ!?まっさか〜」
「よく考えたら思いあたる節がでてくるかもね〜」
キーンコーンカーンコーン
「あっ、チャイムだ…じゃあ、またね」
「うんっ」
「さくらっ〜次美術室に移動だぞ」
「あっ!待って杉山君〜あれ?大野君は〜?」
「職員室寄ってから行くって言ってたから、もう着いてるんじゃね?」
「そっかー」
テクテク
「ねえ?杉山君って好きな人いるの?」
「なんだよーまた誰かに聞いてこいって頼まれたのかよ?」
「う、うん。まあね」
「いたら合コンなんて行かねって」
「そうだよね」
「おまえが行くなって言うなら行かないけど」
「えっ?なんで?」
「おいっ!おまえら予鈴なってんだぞ!サッサと入れ」
「やべ!行くぞ」
「うん」
どういう意味なんだろ…
「おいっ!さくら」
「何?大野君?」
「おまえ…空ってこんな色に見えんのか?」
「あっ!しまった。藍色と黒の絵の具間違った…」
杉山君の言葉が気になってボーッとしてたよ
「あーあ。最初からやり直しだよトホホ。提出まで間に合うかな?」
「はぁー。俺もう少しで終わるから手伝ってやるよ」
「ほんとー!?やったぁ」
あっ。そういえば…。
カキカキ
「ねえ、そういえば、大野君って好きな人いるの?」
ヌリヌリ
「……おまえさぁーよく、授業中にそんなこと堂々と聞くよなぁ」
「美術の時間ってわりと自由だから。ついつい…。」
ヌリヌリ
「それより、話してていいのかよ?本当に提出遅れるぜ」
「あっ!そうだった。急がなきゃ!」
って…うまくはぐらかされちゃった。
結局、二人の気持ちを聞いたところで私はどうしたいんだろ…。大野君いつもなら否定するに、はぐらかされちゃったし、好きな人いるのかなぁ。
昼休みに差し掛かる移動中
まる子の様子が少し変な事を二人はすぐ気づいてた
「なあ、杉山おまえ今日さくらに変なこと聞かれたりしなかったか?」
「ああ、好きなやついないか聞かれたぜ?いつもの事かと思ったけど…」
「美術の授業から様子おかしいんだよな」
「また遠回しにアプローチしてみたけど、ようやく気づかれたかもな」
「…おまえ何いったんだよ?」
「ハハッ…。ライバルになんで手打ちを教えんだよ。さくらの事は、正々堂々だったよな?モタモタしてると、俺がもらっちゃうよ?」
「っ…!?」
「お前は、チャンスがたくさんあったのも関わらず、それを見過ごしてきたんだ。俺は大野が動きだすまで待ってたんだ。フェアにいきたかったからな。」
「俺…」
「さくらの気持ちが揺れて動いたてきたんなら俺はもう待てねえ。」
「俺…引っ越すんだ」
「そうそう、引っ越すから何も言えねってか?……ってなんだよそれっ!?」
「俺、静岡から引っ越すんだ」
「いつだよ…?なんで大事な事早く言わねえんだよ…さくらには言ったのか?」
「まだ…」
「おまえはいつもそうだ…大事な事でもギリギリまで黙ってやがる…」
グッ
感情的になったさとしがけんいちの胸ぐらを掴む
「てめぇ!なら、なおさら何モタモタやってんだよっ!」
「離せよ…」
「何、冷静ぶってんだよ?」
心にもない笑顔をつくってけんいちはこういった
「フッ。なんで、お前が怒るわけ?俺がいなくなれば好都合なんじゃねえか?」
「選ぶのはさくらだ。俺でもおまえでもないかもしれない。いや…でもさくらはいつも、おまえを見てたんだ。なんでてめぇは、気づいてる癖にいつも何も言わねえ?」
「あ"ぁっ?何か言ったら変わんのかよ!?」
「ああ、変わるさっ!」
「だとしても、俺はさくらの前にずっと居られねえんだ。また、あいつの悲しむ顔見たくねえんだよっ!」
「悲しむ顔がが見たくないんだったら、また会いに来る迎えに行くくらいの事をなんで言わねえんだよ?」
「そんなに心配ならお前がずっとついいてやればいいだろ?」
「っ!このわからず屋がっ!」
バキッ
ドンガラガッシャーン
「っ!?」
ザワザワ…
「おまえがそんなんなら、ほんとに俺がもらうからなっ!」
タッタッタッ
「……」
騒ぎに気づいたまる子がけんいちに駆け寄る
「どうしたのっ!?大野君っ!なんで杉山君とケンカなんか…」
ムクッ
「……」
フィッ
スタスタ
「大野君っ!?二人ともケンカなんてどうしちゃったの…」
まる子の顔を見たけんいちは、いっそう胸が苦しくなった。
さとしの言ってた事は自分が思ってた理想論であった。
何もできず
何も言えず
あの時と変わっていない
そうあの小学3年生の時から
「俺は今まで何をやってたんだ…」
あのまま何も変わらない
自分を嘆き責めた
そしたらいっそう
さとしに殴られた右頬が痛んだ。
そして、さとしは…
けんいちに対しての苛立ちというより、親友として、また、けんいちがいなくなる事と、本音で話してくれない悲しみの方が強かった。
本当は、自分のまる子に対しての気持ちを抑えてまで、けんいちの背中を推してやりたいと考えていた。
「見てたわよ」
「あっ?なんだ城ヶ崎か…盗み見なんて、いい趣味だな」
「あんたのバカでかい声が聞こえてきたのよ…しかし、あんたもバカね」
「何がだよ?」
「わざわざ、ライバルに助言なんてしちゃって」
「あいつが、強情だから…」
「あたしだったらチャンスだと思うけどね」
「まあ、自分でもバカだと思うけどな…でもやっぱりあいつには後悔させたくないんだよ。長く一緒にいるせいか、やっぱりあいつにも幸せになってほしいし」
「あたしには、わかんないなぁ〜自分を犠牲にしてまで人の幸せを願うなんて」
「まあ、おまえにもいずれわかるさ」
「そうかしら?でも、そんなあんたたちを見て少し羨ましいわ」
「だろ?さぁーて、俺の予想だともうそろそろ動き出すんじゃねえかな?」
「何がよ?」
「恋が…」
ビューッと風が吹き抜ける
まる子が走ってきた
はぁ…はぁ…
「杉山君…なんで大野君とケンカしたの?…殴ったの?」
「さくら…俺も感情的になりすぎて、殴った事は反省してる。大丈夫。もう怒ってねえよ、それより大野のとこに行ってやんな?」
「さっき話しかけたけど、無視されちゃった」
「ったく、あいつは…ケンカした理由は絶対後でわかるから、大野に聞けば…」
「わかった。もう一度話しかけてみる」
タッタッタッ
「かっこつけちゃって…今、告白しちゃえば良かったのに」
「だから、今はその気は…って城ヶ崎…おまえもいるだろ?」
クスッ
「なによ…外野がいると告白もできないの?あんたも結局その程度って事なのかしら?」
フッ
「おまえは、いちいち気に障る言い方するな…これから失恋するかもしれないのに、もっと優しくできないのかよ?」
「そんなの私に関係ないもの」
「あっ、そうですか…」
まる子はそのまま屋上へ走った
いつもけんいちが落ち込んでる時は、屋上にいる事をわかっていたのだ
バンッ
ハァハァ
「やっぱり、ここにいたんだ大野君」
「……さくら、俺…。」
これから伝える言葉は
「別れ」という悲しいお知らせと
もうひとつは
きっと彼女を幸せにさせる
とっておきの言葉
「あいつら今ごろ…うまくやってるかな…」
そんな、明るい顔にせつない瞳をした、さとしの顔を姫子は、ただ、ずっと見つめていた。
そしていつのまにか
忘れられなくなっていた
END
勿忘草・忘れ名草
花言葉の一部
「私を忘れないで」
「真実の愛・友情」
「愛らしさ」etc
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