〜いつかの桜と君と僕〜


「ねえ、ねえ、ほらほら、こっち!こっち!」


「おいっ、そんなにひっぱんなよっ!」


「みてみてーほらっ!桜、今年も無事咲いたねー!」

「おー今年も結構咲いたなあ」


「うん!みてみて上を見上げるとね空が桜に埋め尽くされて、まるで空がピンク色みたいだね」


「ピンク色〜?そうかぁー?」


「じゃあ、ここの位置来てみて〜…」


これで君と桜を観るのは何度目の事だろうか…?


でも…来年はもう…


「今年でこの桜を観るのも最後だな…」


「えっ!なんで?あっ…そっか…東京の高校行っちゃうんだもんね…」


「……」


「大丈夫!また観れるよ!きっとまた…この場所で…絶対、絶対また一緒に観ようね!」


再会できる根拠なんてないのに、君の言葉は、なぜか力強く、僕はこの時、遠いいつかの約束を信じることができたんだ。


「…ああ!また観ようぜ!」

「うんっ約束だよ!」


それが最後に僕が君と交わした言葉だった。


月日は流れ…桜の木を観る度に僕は、いつかのあの約束を思いだし、君とあの桜を観る日が来るのをずっと待っている。


もし、あの桜の木の前で君との再会を果たしたその時には…
桜を観て君は、決まってまた僕にこう言うんだ。


「みてみて上を見上げるとね空が桜に埋め尽くされて、まるで空がピンク色みたいだね…」

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