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そして読んでいただきありがとうございました!

よろしければ、また遊びにきてください☆


今回の拍手は
(かよちゃん+杉山君…)です。



『バイタルロマンチスト』


「あーまた負けたー!」

「はい、俺2勝!いってらっしゃい!」

「もー!私、このゲーム苦手の知ってるくせにーズルイ!はぁー。で、ハーゲンダッツは何味がいいの?」

「キャラメルクリスピー」

「わかったよー、じゃあいってくるね!」

「気をつけていけよー」


そう言うなら一緒について来てくれればいいのに

と思いながら

ゲームで負けたらハーゲンダッツを買ってくるという彼の思惑にまんまとハマり

コンビニへ向かう


彼の家の周辺の流れる川の橋周辺には

桜がたくさん咲いていて

この時期にこの並木道を歩くのがとても好きだ

こんな綺麗な桜の並木道

ほんのわずかな期間しかないのに

彼と手を繋がないで歩かないなんて

もったいないな

と考えながらコンビニに着くと

近くのコンビニにではキャラメルクリスピー味が売り切れていた

うーん。ここから駅近いし、確か反対出口の側にもすぐコンビニあったはず

正直になかったと彼に連絡しても良かったのだけど

まだ続いてる桜並木をもう少し歩きたくて

駅の方へ向かった

並木道といえば昔

地元ですごく大好きだった人と一度だけ

手を繋いで歩いた記憶がある

その時は緊張して何を話したかも

覚えてない

でもすごく好きで、大好きで

とても大切な思い出

小学校から中学校まで

ずっと片思いをしていた

そんな淡い記憶に思いを馳せながら

反対出口のコンビニ着いた

あーキャラメルクリスピーあった!

とハーゲンダッツに触れようとした時に

私の手に大きな手が重なった

「え!?」

「あ、すいません!」

この声は

私が聞き逃すはずがない


「いえ…って!?え!?うそ!?もしかして杉山君?」

「え、なんで俺の名前知って…って、もしかして、あの山田か?」

突然の再会にビックリする

だって相手は小学校から中学校まで大好きだったあの人…杉山君



「あのー杉山君、とりあえず手離してもらってもいいかな?」

バッ
「ああ、わりぃ!山田すげー久しぶりだな!」

「うん、成人式ぶりだね-」


「なあ、せっかくだからちょっと外で話さないか?時間あるか?」

「え!?はい、お願いします!」

「ははっ、なんで敬語なんだよー」

「えへへ」

ニカッと笑う笑顔が
昔と変わらずまぶしくて

一瞬胸が熱くなった

成人式でも人気者の杉山君は周りに人が集まっていて

中々話せなかったのに

今はコンビニの外で
ハーゲンダッツを食べながら
たわいもない話をしている

すごく不思議な感じ

そして相変わらず緊張する私


「へー山田の彼氏も、この駅の近くに住んでんだ。でも山田と全然会わないよな」

「杉山君の彼女の家と駅の出口反対だからかも」

「あーだからか。確かそっちの出口方面に桜並木あるよな?」

「そうそう、今満開で綺麗だよー彼女と観に行くといいよ」

「あーうちのはどうかなー山田みたいにロマンチストじゃないしなあ」

「えーなにそれ、杉山君ひどい」

「だってよー山田、小学生の時、秋に並木道に手繋いで歩きたいとか言い出してさーあれ、すっげー恥ずかしかったんだからな」

「でも、あの時、私凄く頑張ったんだよー!だ、だってあの時から中学校まで杉山君の事大好きだったし」

「…あ!?うん、なんとなく知ってたけど」

少しの沈黙が流れ

耐えられない私は慌てて口走った

「あの、でもね、ずっと片思いだったけど、色々凄く良い経験させてもらったというか、なんというか…」

私のバカ!昔の話なのにカミングアウトしてどーするのよ

「ぷっ、山田変わらねーな」

「え?」

「慌てるとことか、おっちょこちょいなとこ、ふっ、山田と毎日居たら飽きなさそう」

「そ、それはどういう意味で」

思いがけない殺し文句に

動揺するヒマもなく携帯に彼氏からの通知音が鳴る

「あ!近所のコンビニに行った事になってるのに、もう1時間くらいたってたなんて…」

「彼氏から連絡?わりぃ夜なのに呼び止めて」

「ううん、久しぶりに話せて楽しかった杉山君ありがとう!」

「帰り1人で大丈夫か?」

「うん、駅近いし、じゃあ杉山君元気でね!」

「おう、またな!」

杉山君と別れてから

すぐに彼のハーゲンダッツを買い

彼に連絡をする

「もしもし?」

「あっ随分遅いけど今どこにいるー?」


「ごめん、キャラメルクリスピー売り切れてて駅の反対出口のコンビニまで行ったら知り合いに会って、話してたら遅くなっちゃった。今、駅の出口通り抜けてるから…ってあれ?」

彼の家の近くのコンビニの前に彼の姿があった

「えっと、コンビニに居なくて電話したら、もう着きそうだから待ってた」

「ふふっ」

「なんだよー」

「迎えに来てくれるの珍しいなーと思って」

「べ、別に。あと夜の桜も綺麗だし見たいなって」

「じゃあ、ゆっくり桜見て帰ろうよ」

「ハーゲンダッツ溶けそうだから半分にするか」

「うん!ねえ、手繋いでいい?」

「ん」

本日二個目のハーゲンダッツ

一個目は大好きだった彼と

二個目は大好きな彼と

大好きだった杉山君の前では
相変わらず緊張してしまって
ハーゲンダッツの味がしないくらい
食べた気がしなかった

杉山君に何か凄い事を言われたような気がしたけど

彼と桜並木を歩きながら

右手にはハーゲンダッツ

左手には大好きな彼の手

彼との幸せなひとときを過ごしてるうちに

それもいつの間にか忘れてしまっていた


END



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