承太郎/
二人で海辺まで来た。裸足で砂浜を踏みしめる感触は好きだが潮風は嫌いだ。風に吹かれる制服が私の脚を縛る枷に見えて気持ち悪い。ああ、早く大人になりたい。何もかも捨てて逃げ出したい。衝動で海に飛び込む?それともここで脱いでみる?大人になる方法を今すぐ君が教えてくれよ。


ジョナサン/
私はジョナサンが好きで、ジョナサンはエリナが好き。私がエリナに勝てるものなんて何一つないから負け確定。始めから結末が決まっているんだから諦めるしかない。だからこの恋心はそっと捨てようと決めたはずなのに綺麗な翡翠の双眼に見つめられると心が揺らいでしまう。ああ、恋って結構面倒臭い。


ジョルノ/
「ジョルノのさ、頭のグルグルって食べられるの?お腹を空かせた人にグルグルをブチッと千切って分け与えられるの?」「はぁ?そんな訳無いでしょう」「ええ〜!?そこは助けろよG・Eマン」「誰がG・Eマンですか。仕事して下さい」「だってお腹空いたんだもの。助けてG・Eえも〜ん!」「嫌です」


DIO/
私は血の温もりが好きだ。わざと血が流れるよう死体を裂き、傷口に手を作っ込む癖がある変態だ。掌を柔く包み込む生温かさに興奮してしまう。だけどこれは温かくない。グチャグチャ掻き混ぜても冷たい。不死身だからいくらでも浸ってられると思ったのに裏切られた気分だ!だから腹いせに叩いて潰してミンチにしてやった。ざまあみろ。


承太郎/
隣の席の空条くんは不良だから怖い。しかも、どうやら私は彼に目をつけられているらしいのだ。授業中視線をビシビシと感じるし、放課後は気付いたら後ろ歩いてるし。私が何をしたっていうんだ。友人にその事を相談したら自意識過剰だと一蹴された。私、空条くんとは一度も話した事無いんだけどな。


DIO/
彼は寂しい人です。ろくに愛情を受けずに育ったせいで愛が分からないのです。私はこんなにも彼に愛していると伝えているのに彼には1ミリも届きません。片道の愛なんて捧げてるだけ馬鹿らしく思えてきますが、彼が私の事を手放してくれないのでどうしようもないのです。嗚呼、誰か彼に愛を教えて下さい


ジョルノ/
「ジャッポーネとパッショーネって似てるよね」「はぁ…」「パスタとミスタも似てる」「はぁ…」「汐華と恋バナも」「いやそれは似ていないでしょう…あっ」「やーっと顔上げてくれたねジョルノ。恋人放ったらかして仕事と浮気!?やるねぇ色男」「仕事にヤキモチですか?可愛いですね」「う、うっさい!」


2018.09.06〜2018.09.13
SSS No.2

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