続き
病室に辿り着くまでの間、ダイゴさんはこの子の身に起こったことを話してくれた。出会ったきっかけは石の洞窟だったこと、その時からこの子の才能に眼をつけていたこと、アクア団とマグマ団という組織が古代ポケモンを復活させようとしてそれをこの子が食い止めたこと、それからポケモンリーグへ挑戦して新たなチャンピオンが誕生したがこの子はチャンピオンの座を辞退したということ、それから数ヶ月後巨大隕石がこの地方に落ちてくることが観測されたこと、巨大隕石の落下を食い止めるために科学の力を使おうとしたが阻止され、もう一案であった古代ポケモンレックウザをメガシンカさせ隕石を破壊させるという流星の民の方法を使うことになったこと、伝承者であった少女に代わりこの子が伝承者として相応しくその役目を担ったこと、レックウザと共に宇宙へ飛び隕石を砕いたこと、その先で謎のポケモンと戦闘しなんとか倒したものの、苦しい戦いだったらしく意識を失っていたということ、数日間眠り続けていてようやく今日目覚めたということ。
ゲームの流れと大体相違ない。最後以外は私の知っていることと同一だ。だから確信出来た。この子は、皆の期待に応えなければならない環境下に居たということが。
レックウザがメガシンカするだけの力を失っていたということを知って、レックウザに力を与えたこの子を試そうとしていると言われ、レックウザに選ばれたと聞いて。
この子はどんな想いで宇宙へ向かったのだろう。こんな小さな身体で、小さな掌で、一体どれほどのプレッシャーをこの背中に背負ってきていたのか。
「……ありがとうございました、良く分かりました」
病室に着いて私は彼に向けて頭を下げた。彼は「気にしないで。 少しでも思い出すための手助けになれれば嬉しいな」と笑い、また明日来るよと言って去っていく。
病室に入り、この子の両親との気まずい雰囲気のなか私はこれからどうしたらいいのか途方に暮れていた。