お願いを聞いてもらう

部室にて。

「幸村〜柳〜〜」
「どうしたの急に」
「私の一生のお願いをきいてほしいんだけど」
「どう思う蓮二。名前のことだから絶対一生を棒に振りそうなお願いだよね」
「全くだな」
「失礼しちゃう。今の私にはとても大事なことなの。ね、お願い!」
「はぁ。聞くだけ聞くけど」
「あのね…私を叱ってください…」
「Mなの?」
「ちがーう!こうね、自分の気になってる子がね、その気なくちょっかい出してきた時とかにね、愛おしさが溢れるのを抑えつつ呆れながら”こら…”ってさ、頭を撫でるの。は〜〜〜たまらない」
「随分と具体的だね」
「少女漫画にでも影響されたのだろう」
「そうなんだよさすが柳先生。昨日読んだ漫画のシチュエーションが刺さりすぎて…どうしても体感したくてさ」
「それを俺達がやれと?」
「してくれたら私絶対きゅん死にしちゃう自信ある」
「それはそれでおもしろそうではあるね」
「精市が乗り気なんて珍しいな」
「名前のまた違った一面を見るのも楽しそうじゃないか」
「えっということは…!再現していただけるのですか!」
「やるからには全力で落としにかかるけどいい?」
「幸村神〜〜〜!」
「では俺はこの茶番をビデオにでも収めるとしよう」

「で。どうしたらいいの」
「んーそしたら、私が幸村の部誌書きにちょっかい出すのでその流れでお願いしまーす」
「一回しかやらないからね」
「わかってるよ…!じゃあ部誌の空いてるところに似顔絵描いちゃお。まず幸村でしょ、これが真田、柳、これはブン」
≪コラーーーッ!真面目に走らんか赤也ーーーー!!≫
「わっ?!びっくりした」
「…真田の方が適役なんじゃない?」
「一気に男塾感でるね」
「それにしても、名前って俺の気持ちを知っててこんなこと言ってきたの?」
「ん?」
「俺が他の子にもこんなこと協力してあげると思う?」
「いや…えっ?!」

「ってことになるからあまり勘違いさせない方がいいよ」
「…やられた!!頭…!!」
「今名前おもしろい顔してるよ」
「だってこれはずるい!なに?!思ってた100倍ドキドキした!」
「ふふ」
「あああ…一時はまともに幸村の顔見れないよ〜〜」
「からかい甲斐があって俺は楽しみだな」
「ありがとう精市。貴重な動画が撮れた」
「貴重ってどこがよ」
「名前の本気の照れ顔」
「本当にやめて!絶対に社外秘だからね?!」

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「名前、今日の練習メニューについてだけど」
「あ、うん。どう、した…の……」
「?苗字は熱でもあるのか?顔が赤いぞ」
「指摘してやるな弦一郎。ただ墓穴を掘っただけだ」



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