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「ツナ、今日はおもしれぇやつが来るからお前にも紹介するな。」
「はぁ、わかったよ。」

中学生の頃から成長し26歳となった俺は、嫌々なったわりにはマフィアの仕事に少しずつ慣れてきた。いまだにリボーンには逆らえないけれど。

安定してきたと思ったら次は縁談がどっさりっ運ばれてきて、俺は紹介と言われるとそれをイメージするくらいになっている。
今回はどこの令嬢だろうと飽き飽きして待っていると、コンコンっと扉を叩く音が聞こえた。

「どうぞー。」と適当に返事をすればカツカツとヒールの音をたてて目を引くような美少女が部屋に入ってきた。1人で。

...1人?俺の頭の中は疑問でいっぱいになる。もし令嬢であれば少なくとも父親を伴い、従者を連れてくるはずでは。

彼女は俺の前にたち「こんにちわ。お初にお目にかかります、リディ・ウィルキンスと申します。ボンゴレファミリーのボス、沢田様。以降お見知りおきを。」丁寧に挨拶をしてきた。

ソファーに座るように誘導すると、お礼を言って腰掛けた。

彼女は紺色のスリットのはいったドレスをきており、男なら誰もが魅入る容姿だ。上から下まで俺は思わず見入っていた。


「おっ、来たかリディ。ツナ見惚れてんじゃねえぞ。」と少し席を外していたリボーンが帰ってきた。

「あらリボーン、久しぶり。」
ニコッと微笑む彼女にまたも釘付けだ。

彼女の素性を知らぬまま俺は恋に落ちてしまった。


「さて、では頼まれてたものだけど。」
そう言ってリディはリボーンに書類を渡す。
リボーンはさらっと目を通し「さすがだな」と呟く。
リボーンの見ている書類を覗きこむと、そこには現在活発化してきているマフィア、モリス家についての情報が事細かに記載してあった。