Be hotter than tea


今すぐベッドに身体を投げ打って夢の中へ旅立ちたい。そんな思いと葛藤しながらシャワーを浴びる。
シャワーからあがって部屋に戻ると、彼のいれた紅茶の香りが鼻を擽って心地良かった。

バニラの香りがする。ほぼ無意識にそう呟けば飲むかと尋ねられる。今すぐ寝たい気持ちと、久しぶりにとれた二人の時間を味わいたい気持ちが混ざったのか、少しだけと応えていた。

彼のいれた紅茶が、美味しくなかったことがない。茶葉の良さを最大限に引き出せる彼のいれ方が好きで、何度か教えてもらったこともある。
決して、器用な手先と逞しい背中に見惚れていただけではない。
いつしか紅茶をいれるのは私の役目になっていたけど、やっぱりリヴァイの紅茶には適わない。私はこの瞬間が好き。

まだ完全には乾いていない髪を拭きながら、彼の隣に腰掛ける。少しだけ飲みたいという私の応えに頷いた彼は、カップに残っていた紅茶をすべて飲み干してみせた。
意図が読めずに困惑している私の頬を彼の手が悪戯に触る。なに、と口を開きかけると、整った彼の顔が視界いっぱいに広がった。

広がる香りと彼から与えられる熱に、思考が溶かされていく。息を漏らすように甘い、と呟けば更に深くなる口付け。気付けば、睡魔は彼の熱によって彼方へと流されていた。