letter from Ria



手紙が届いた。差出人の名前はない。
封筒を開ければ一輪の小ぶりの花。記憶の中に咲く花に愛おしさを覚えながら、手紙に目を通す。
書かれていたのは

"最愛の片翼へ"

この手紙は一人で読んで正解だった。
運悪く奴らに見つかりでもしたら、今晩の酒の肴にされることは確定だろう。
招かれざる客が来ないことを祈りながら窓の外を眺める。

思えばあいつとも長い付き合いになる。取り巻く環境や時代が変わろうと、俺の帰る場所は変わらずそこに在る。
このクソみてぇな世界をあいつは受け入れ、美しい世界だとよく言う。俺とは違う目を持つ、どんな世界でも受け入れる覚悟がある目だ。
暖かくも芯のある真っ直ぐな翼、俺の片翼。

あいつの淹れた紅茶が飲みたくなった。あいつの声が聞こえる場所、顔が見える場所で。
手紙のせいか、それとも。