2019-07-22
何かが頬をすぎる感触に意識が浮上する。 ゆっくりと目を開けると既にリヴァイの姿は隣にはなく、代わりに優しい風が私の頬を撫でていた。
昨日の夜更かしの影響か、気付けば空が白み出すまで彼とお酒を嗜んでいたことを思い出す。起き上がる気も削がれてしまい、暫く心地好い温かさに身を包んでいると。
「起きたか」
いつもより少し低い声が、彼も起きてから対して時間が経っていないことを教えてくれた。欠伸を噛み殺しながら掠れた音だけで返事をする。
どうやら彼の声を聞きながら私の意識は再び眠りに落ちたらしい。
二度寝から覚めたとき、何故か私は彼の腕の中にいた。彼もつられて眠りについたのだと理解して、珍しいこともあるなと彼の伸びた前髪を弄る。
ふと横目で時計を見ると、もうすぐお昼を知らせようとしている針と目が合った。
まぁ、今日はのんびりしていても良いだろう。何せ特別な日なのだから。
窓から入り込んだ風が彼の黒髪を揺する。良い夢でも見ているのだろうか、いつもより穏やかな寝顔に安堵する。
暫くそうして見つめていると、彼の瞼がゆるゆると持ち上がる。おはようと小さく声をかけると、返事の代わりに背中に回された手で引き寄せられた。
「良い夢でも見てた?」
「あぁ、そうだな」
「どんな夢?」
「寝ても醒めてもお前がいる夢」
「それ、正夢だね」
腕の中で微笑む彼女に、男はただただ幸せだと伝えたい。