ネタ帳

いつか書くかもしれないネタだったり、ボツな小ネタだったり。

▼2023/10/30:加瀬さんと〇〇をしないと出られない部屋

※〇〇をしないと出られない部屋を加瀬さんで。
※途中からざっくりとしたセリフだけ。
※行間は皆様の想像でお読みください。
※エロくはないけど下品…というか設定自体がメタい!?

お題
『加瀬さんと、蛇にピアスを見ながら◯◯◯◯しないと出られない部屋』

部屋に閉じ込められた加瀬と梨央妹。
途中からセリフだけ。あとは皆様の想像でお読みください。



======



目が覚めたら、ある部屋の中に二人でいた。

「出口、見当たりそう?」
「こっちは何もない。そっちはどう?」
「ダメだ。一面壁だ」

「こりゃ困ったな」
「困ったね」
「せめて手がかりでもあればいいんだけど」

見渡す限り一面真っ白い部屋で、加瀬と私は二人途方に暮れた。

「目につくものといったら、これぐらいだもんな」

加瀬はそういって部屋の中心に視線をやった。
何もない部屋のど真ん中に置かれているのは、テレビが一つと、冷蔵庫と、とても大きなサイズのベッド。ホテルでもあまり見たことのないサイズだから、あれがいわゆるキングサイズというやつだろうか。
そのベッドサイドを背にして、加瀬と二人して床にお尻をついて座った。

「食べ物は少しあるし、水もあるからしばらく過ごせば誰か助けに来るんじゃない?」
「楽観的なのは何よりだけど。怖くないの?」
「何が?」
「こんなところに閉じ込められて」
「加瀬さんと一緒だから、怖くないよ」

「……また、そういうこと言って。この子は」

少しの間があってから、加瀬はプイと視線を逸らすと、困ったように眉を下げる。

「何?」
「何でもない」
「どうかな。加瀬さんの何でもないは、大体何でもなくないから」
「それをいうなら、 そっちだって。何かあっても、すぐ何でもないって誤魔化すだろ」
「そうかな?」
「そうだよ」
「じゃあ、おあいこだ」

ニヤリと笑ってそういうと、加瀬もそうだな、と呆れたように笑った。

「えー、何だこれ?なになに、……」

ふと目についた紙を取り上げると、その内容に加瀬は目を大きく見開いた。

『蛇にピアスを見ながらセッ◯スしないと出られない部屋』

紙を見るなり呆然とする加瀬。

「……加瀬さん?」

その手元を覗こうと、後ろから忍び寄ると。全力で止められて、ぐしゃっと紙を潰された。

「…ダメだ。これはダメだ」
「ちょっと、加瀬さん」
「閉じ込めたやつ、出てこい!」

ここにはいない誰かに向かって叫ぶ加瀬を他所に、ぐしゃぐしゃになって床に転がった紙を拾うと、広げて読む。

「えーと、『蛇にピアスを見ながらセ」
「声に出して読まないの!」
「……何これ?」
「俺が聞きたいよ」

加瀬は頭を抱えて、はあと息を吐いた。こんな漫画みたいな展開、現実に起こるなんてどうしたって信じられない。
ところが彼女はというと、現実主義者な加瀬以上に冷静に状況を分析していた。

「要は、加瀬さんとこの映画観ながらエッチすれば出られるってことよね?」
「……!」
「じゃあ、する?私はいいよ、加瀬さんとなら」
「……」
「……何?」
「女の子なんだから、もっと恥じらいを持ったら」
「なんで?この歳だし。別に初体験ってわけでもないよ」
「っ、そりゃそうだろうけど(できれば知りたくなかった…)」
「別に経験豊富でもないけど。加瀬さんだって、経験の一つや二つくらいあるでしょ」
「そりゃ、それなりに、まあ」
「へーやっぱりそうなんだーふーん」
「この歳で一切経験ないほうが怖いでしょ」
「それもそっか」
「そうでしょ」

「とりあえず、するかしないかはまた置いといて、一緒に見よう?」

映画、と言って彼女はテレビを指さした。加瀬は複雑な顔をしながらしばらく抵抗したが、最後は渋々頷いた。

***

「この映画、原作の本が昔芥川賞取ったやつだよね」
「詳しいね。読んだことあるの?」
「ううん。ニュースで見ただけ。若い作者が二人同時入賞したとかですごく騒がれてたから印象に残ってる」

ベットの上で座りながら、映画を観ながら二人で話をする。あの頃まだ小さかったし、内容がコワそうだったから手は出さなかったけど、と続けると加瀬はふうん、と頷いた。

「そう言う加瀬さんは?読んだことあるの」
「読んだことはないよ」
「ってことは映画は観たの」
「……まあ」
「観たの?」
「うん」
「むっつりめ」
「しょうがないでしょ。俺も当時高校生だったし」

***

「結構、ガッツリなシーン続くね」
「そうだね」
「この、スキンヘッドの人が加瀬さんに似てる」
「……そうかな」
「主役の女優なんて、梨央姉ちゃんそっくりだよ」
「……そう、かな」

男が女を組み伏せて激しく犯すシーンを見ながら、ぼそりと彼女は言った。

「ね、加瀬さん」
「何?」
「閉じ込められたのが、私じゃなくてもしお姉ちゃんだったら。迷わずにシた?」
「……」
「ね。答えて」
「どうしてそんなこと聞くの」
「……笑わない?」
「笑わないから。言って」
「ずっと前から思ってたんだけどね」
「うん」
「なんか姉ちゃんと加瀬さんには、他の人にはない絆みたいなものを感じるから」
「……」
「もしかしたら加瀬さん、梨央姉ちゃんのことが特別なのかな。好きなのかな、って」
「……」

不意に彼女が見せた弱さに、ぐらっと来た。トドメを指すように彼女は遠慮がちに言った。

「加瀬さん。私じゃダメ?」

映画の小さな嬌声が、耳に突き刺さる。加瀬の沈黙に不安を感じたのか、彼女はおそるおそる続けた。

「もしかして図星だった?」
「ちょっと、いや大分違う」
「え?」
「お姉さんのことを大切に思っているってのはあるけど、それは好きというより、家族だからで」
「……」
「だから、好きな相手以外とは、しない」

きっぱりと言い切ってから、それに、と加瀬は言った。

「それに俺が好きな相手は、違うよ」
「じゃあ、誰なの?」
「わからない?」
「……」
「いつもは自信満々にぐいぐいくるクセに、こういう時は自信なさそうにするよね」
「え、何の話?」
「そこが可愛いって、今思ったって話」
「……!」

耳元で告げると、顔が真っ赤になる。
逃げようとする彼女の腕を、加瀬は咄嗟に掴んだ。こちらに強く引き寄せて、抱きすくめる。

「……ちょ、加瀬さん」
「逃げないで」
「!」
「もう、ちゃんと好きだから」
「……嘘」
「嘘じゃない」
「……なら証明してよ」

嘘じゃないって。と続ける彼女の声が震える。

「証明なら、いくらでもする」
「…どうやって」
「そうだな…」

加瀬はそっと彼女をベットの上に押し倒した。映画の音はもう耳に入ってこなかった。加瀬さん、と泣きそうな声で呼ぶ彼女にグッときそうになるのをまだだと堪えながら、ゆっくりと覆い被さっていく。焦らすようにネクタイをしゅるりと外していくと、期待するような、怯えるような瞳がこちらを見上げていた。

「こんな形じゃなくて、本当はもっとちゃんとしたところでしたかったけど。いいよね?」

冷たい手を取って、鼻の触れ合いそうなほど近くでそう囁くと、彼女はぶるりと震えた。

あとは、もう少し距離を縮めるだけだった。


========


◯◯をしないと出られない部屋、加瀬さんでした。

あれ、本当はこの先のすけべパートが書きたかったはずなのに…。どうしてこうなった。
セリフで力尽きたのでここに供養させてください。若干加瀬さんのキャラが崩壊していますが、後悔はしていません!




←前へ | 次へ→