どうしても色相が濁らない

※キャラ崩壊


「はぁっ、ぅう…僕は、僕は…」
「うん。どうしたの」

 私にしがみついて泣き叫ぶ聖護くんの頭をそっと撫でる。胸に埋められた顔は涙でぐしゃぐしゃだ。目と鼻は赤くなっており、きっと今晩には目蓋は腫れてしまっているだろう。

「誰も、僕を見ない…ッ、あのシビュラさえも、ひっく…本当の、ぅうっ…僕、なんて…!」
「私は見てるよ。大丈夫。私は聖護くんのこと、ちゃんと見てる」
「…で、でも…僕、ひっく…き、今日も人、殺したのに…ッ、僕の色相…うぅ…」

 いくら殺しても殺しても色相が濁らないと涙を流す彼の目は悲しみで満ちていた。



(2019/10/27/BACK)