■足利義輝
「この者が予の三日月宗近か。はっはっは、天下五剣の一つがこのような優男とは予も想像に及ばなかった」
将軍が玉座に座って愉快そうに笑っている。どこかに隠れているのかもしれないけど、とりあえず見えるところには側近なども見えず、この広い部屋には私たちしかいない。それなのにすごく圧迫感があるのは私以外全員すごい人たちだからなのでしょうか。ああ、凡人つらい。
「ははは、俺もまさか前の主とこうして会ってしまうとは想像もしていなかったぞ」
さすが三日月はいつもと変わらない。
「あのー…こちらが骨喰藤四郎です」
「ほう、どこの女子かと思えば其之方は骨喰であるか」
「…だれだ?」
将軍に骨喰を紹介したものの…だれだ?っておい!将軍にだれだ?ってダメだよ!無礼だよ!しかし将軍のほうは気にした様子もなく、むしろ笑っている。将軍ともなると器もでかいんだなぁ。
「予を忘れてしまったか、はっはっは、面白い!」
「骨喰は色々あってな、俺のことも覚えていなかったのだ。今はまた一から友人になっている」
「そうであったか。刀である三日月宗近にも朋がいるのだな…よいことだ」
そう言った将軍は微笑んでいたけど何か寂しそうに見えた。三日月もきっとそれが分かっていたのだと思う。そろそろお暇しようか、と言うと三日月は「もう少しここで義輝と話をしたい」と言って三日月だけしばらく部屋に残った。
■京極マリア
「うちの本丸、誘っても食いついてこないやつばかりでさ」
「それなら妾が遊んであげましょうか。あなた、妾の好みだわ」
「前の主の母親にそう言われるなんてね。で、ナニして遊んでくれるんだい?」
「そうねぇ、妾が今シたいのは…」
「あの、私もいるんでそういう話やめてくれませんか」
聞いていられなくなって口を挟むと二人が妖艶な微笑みを浮かべて私を見た。失敗した、この二人を会わせたのは失敗だった。こういう方向の話をすることなんて簡単に予測できただろうに。
「あなたも妾と遊びたいの?」
「え、いや…」
「僕は歓迎だよ、どうする?」
「どうするも何も…」
だめだこりゃ。
■島左近と竹中半兵衛
「豊臣軍ってさー、暗い人が多いと思わねぇ?」
「真面目な方が多く良い軍かと思いますが」
胡座の左近さんと正座の一期一振。座り方でも人柄って出るんだなぁ…そういう私は体育座りだ。
「あー、いや真面目は真面目よ?でも冗談通じない人ばっかだし…たまーに出る半兵衛様の冗談は恐いし」
「あはは…」
「僕が何だって?左近君」
「半兵衛様?!いや、何でもないっす!」
半兵衛様はとくに気にした様子もなく一期一振のほうを向いた。
「君は秀吉の刀の付喪神だそうだね。そこで質問なんだけど、もし秀吉が君で戦う場合、君のやる気や気合いは反映するのかい?」
「多少は。ですが、刀でいる間はほとんど主の力によります」
「でも多少は関係するんだね。じゃあ僕らは君に何をすればいい?」
「そうですな…弟たちに会わせていただきたい」
「わかった。君の弟を集めよう」
こうして粟田口が集まるのか…