ポンコツエリート


「え、宜野座くん?マジで宜野座くんなの?」
「ああ。何をそんなに驚いている」
「だって、え?こんな人だっけ。宜野座くんってもっと使えないエリートだったよね。ポンコツエリートの筆頭だったよね」
「…ポンコツエリートはさすがにやめてくれ」
「…………本当に宜野座くん?」
「そんなにおかしいか?」
「だって監視官時代の宜野座くんにポンコツエリートなんて言ったら拗ねて怒ってどっか行っちゃってるでしょ」
「………」
「前までなら捜査中も『どういうことだ狡噛!』ばっかりで全然ついてこれてなかったのに、今はちゃんと捜査に参加できてるみたいだし」
「まぁ…そうだな」
「前より余裕もあるし、なんかマジでどうしたんだよ宜野座くん。あ、その左手似合ってるよ」
「あ、ありがとう…」
「とりあえず、また会えてうれしい。執行官に降格になっちゃっても、私は宜野座くん好きだし。というか、今の宜野座くんのほうが好き。髪型も今のほうが断然良い」
「そうか…何か喜んでいいのかよくわからないが、とりあえずありがとう」
「どういたしまして」



(2019/10/27/BACK)