刀に甘えてみる

■堀川ver

「くーにーひーろー」
後ろから国広に抱きつくと、ちょっと戸惑いつつも自分の腰に回された私の手を握ってくれた。
「えっ、どうしたんですか主さん。何か困ったことでもありました?」
「うーんないけどー何か国広に甘えたい」
すると国広は優しく私の腕をほどき、向かい合った。あまり身長差がないから青い綺麗な瞳が近くにある。
「主さんは困った人ですね」
とか言ってるけど、嬉しそうな顔をするもんだから私は何かと国広に甘えてしまう。



■兼さんver

「兼さん」
テレビを見てる兼さんの二の腕をツンツン、とつつく。
「んー、何だよ」
「甘えてるの」
「…ふん」
満更でもない、というのを全く隠しきれてない兼さんはとても可愛い。さらに調子に乗ってごろんと寝転がり膝の上に頭を乗せた。
「ちょ、お前…っ」
「だめ?」
「ダメじゃねぇけど…女が男にするかぁ?」
「時代が変わったのー。最近流行りの刀ならそれくらい知ってなよ」
「…そうかよ」
兼さんのちょっと固めの太ももを枕に目を閉じる。あー、土方歳三の刀の上で寝る日がくるとは。そんなことを考えていると完全に眠っていた。
「ん…兼さん今何時」
「動くんじゃねぇ!」
「え…?」
「アンタがなかなか起きねぇもんだから脚が痺れたんだよ!」
「私どれくらい寝てた?」
「三時間」
「…ごめんね兼さん。今度好きなもの買ってあげるよ…」



■燭台切ver

届いた食材を冷蔵庫に入れ終わったのを見計らってみっちゃんの背後に忍び寄る。
「みっちゃん、ぎゅー」
「はいはい、ぎゅー」
ぎゅー、しか言ってないのにみっちゃんも慣れたもので腰を屈めると私を抱き締めた。私も負けじとみっちゃんの背中に腕を回して抱き締める。
「みっちゃんのにおい良いにおい」
「どんなにおい?」
「落ち着くにおい」
「主も良いにおいがするよ」
ああ、みっちゃん落ち着く…


■乱ver

「乱ちゃーん」
乱ちゃんの部屋に行くと乙女座りをしてお菓子を食べていた。可愛すぎか。私も隣に座って乱ちゃんの細い腕をぎゅっと握ってくっつく。
「もー、主さんてば甘えん坊さんだからー」
「乱ちゃん可愛い…」
「僕のお膝貸してあげよっか?」
「ぜひ!」

でも兼さんと違って華奢な太ももに少し遠慮してしまった。


■亀甲ver

「亀甲、私が良いと言うまで動いたらダメだからね」
「わかったよ!ご主人様!」
嬉しそうに正座をする亀甲の上に座り、さわやかな良いにおいの肩口に頭を預けた。

そのまま眠った。

「んー寝ちゃったなー」
「ご主人様…くっ」
「足しびれた?でもまだ動いちゃだめ」
「ご主人様の命とあらば…んっ、ああ!足が…」





(2019/10/27/BACK)