万能光忠

「ねぇねぇ主、この本丸でもし彼氏にするなら誰?」
「どうしたの加州、そんなこと突然聞いて」
「何となく!ほら、だれー?」
「うーん…彼氏かぁ。みっちゃんかな」
「燭台切ねぇ…まぁ妥当か。じゃあ結婚するなら?」
「それもみっちゃんかな。背が高くて家事できる人がいいし」
「んー、じゃあ息子にするなら?」
「みっちゃん。一緒に買い物行ってくれそう」
「…じゃ、じゃあ友達!」
「みっちゃん。今がそんな感じだし」
「お兄ちゃん!」
「みっちゃん。自慢する」
「弟!」
「みっちゃん。ああ見えて姉に頭上がらないとか可愛いと思う」
「もー!!何で全部燭台切なの!つまんない!」
「仕方ないじゃーん」
「主なんか知らないもん!ふん!」
「えー、何で怒るのー」

二人は知らない。扉の向こう側で燭台切が赤面してうずくまっていることを。




(2019/10/27/BACK)