あるじのぱじゃま

「……」
短刀が寝静まったころ、談話室には数人の打刀と太刀がいた。そこへ顔を強張らせながら一期一振が重い足取りで入ってきた。
「一期どうした?」
鶴丸が声をかけながら自分の隣の座布団を叩いて誘導すると一期一振は何も言わずにその場所へ正座した。
「珍しいな、お前がそんな風になるのは。で、どうした?」
「主殿が…主殿が」
それだけ言って固まってしまった一期一振だが、台所から酒のつまみを持ってきた燭台切がああ、と声をかけた。
「もしかして主のパジャマ見たとか?」
「…!」
「あ、本当にそうだったのかい?」
「ということは皆さんもご存じで?」
部屋を見渡すとみんな一様に頷いた。
「主のパジャマ言うたら、丈の短ーいアレじゃろ?」
「まぁ、美術館組は来館者を見て現代の服装に慣れてるだろうが、確かに御物の俺らからすると刺激が強いよなぁ」
「ですが鶴丸殿のその口振りはあまり驚いていないご様子…」
「初見は驚いたさ。だがなぁ、考えてもみろ?何度も家に通ってようやく見れた女の生足が、今じゃ見放題なんだぞ?嫌な気はしないに決まっている」
「鶴さん、その足は“主の”足だってこと忘れないでね」
「わかってるわかってる!主をどうこうしたいとかじゃないぞ!」
「主殿の時代では皆あのようなお召し物を付けられているのでしょうか…」
「主はこれが普通じゃって言うとったぜよ」
「なんと…」
「僕としてはせめてショートパンツぐらいにしてくれたらまだ良いんだけど」
「だな。俺は何度か主の尻を見たことがある」
「主殿の?!」
「尻と言っても生じゃないぞ?下着は履いていた。主は白とかピンクとか黄色とか、薄い色が好みのようだ」
「鶴さん、その辺で」
「何だよ光坊、お前だって気になるだろ?」
「女の子の下着の色の話なんてかっこ良くないよ」
「はいはい、伊達男さんすみませんね」


っていう話してたらいいな。
ちなみにでてくるのは鶴、一、CCP、むつ。




(2019/10/27/BACK)