「おい薊……お前なにコンドーム見つめてんだよキモイぞ」
「放っておいてくださいよ! だいたい睡蓮、貴方今日は仕事だったのでは? いきなり菖蒲様の部屋に現れるのはよしてください」
「いやぁ、だって面白い光景が広がってたからつい」
屋根裏に隠れていた睡蓮が、次の瞬間縁側に立っていた。薊はまったく驚く様子もなく、不服そうに口元をへの字にして睡蓮を見やった。
「で、理由は」
「何のですか」
「コンドーム見てた理由。あ、まさか今日菖蒲様とセッ……」
「いえ別に。菖蒲様が二区に戻るのは明後日ですけど」
「じゃあ益々意味分かんねえ、コンドームがそんな面白いか?」
「いえ、別に……」
同じセリフを繰り返す薊が、不意に口元を緩めてクスクスと笑った。奇怪なものを見る目になった睡蓮に気づいて、薊は慌てて手を横に振って弁明するようなことをした。
「あの、変な意味はないのですよ!? ただ、菖蒲様が……」
「なんだよ」
「その……してる最中に、俺がコンドームを取り出すと、いつもビクッと緊張した顔をなさるんです。ふふ、今から入れられるって思ってドキドキしてるんですよ。それがたまらなく可愛くて……」
「お前って、SなのかMなのか分かんねえな……」
それが主に従順な忍者の台詞か? と、従順でないほうの忍者である睡蓮は思ったが、まあ黙っておこう。