更新履歴、補足メモなど
2021/11/28 00:12
備忘録
追記にて、人魚パロディのネタを少し。
なんでも許せる方向けです。
▽▽▽
「人の世に興味がある、か。思わぬ客も来るものじゃのう」
怪しげに光る深紅の瞳は暗闇の中でよく映える。
およそこの世のものとは思えない――と言っても私の世界といえば海中の、地元周りだけで狭いんだけど――それでも今まで見てきた真珠や沈澱していた宝石なんか比べ物にならないくらいの美しさを放っている。
なんでも願いを叶えてくれるという魔女は、魔女と言いながら男で、噂では蛸の怪物だとか言いながらなぜか『人間の足』を生やしているうえに『靴』を纏っている。たしかひとが地上を歩く時につけるとかいうやつだ。
誤情報だらけで笑えない。本当は皆んな、魔女を頼ったことはなかったんじゃないかと思うくらい。
「我輩を一度は打ち負かした王の娘、何番目かの姫君が。まさかそのようなものにうつつを抜かしていようとは」
「……まぁそうなんですけど。…………ええと。あの、あなたは『人間』なんですか」
「いいや?見ての通り『魔女』じゃよ。かつては『魔王』と名乗ってやんちゃもしておったが」
使いの者を介してばかりおると事実も曲げられていくものじゃ、と魔女は笑っている。
「久しい客人よ。『魔女』とは渾名のようなものじゃ。我輩のことはどうか気軽に『零』と呼んでおくれ」
「……零さん」
口にしてみたものの、彼が満足そうに受け取るそれはなんだか馴染まない。
***
「ふふ。そう、■■って言うんだ。……ぼくは巴日和。この国の第二王子だね」
「地上の話を教えてあげる。だからきみも、海の中の話をぼくに聞かせてくれる?興味があるんだよね――ご先祖さまが焦がれたっていう“人魚の世界”に」
人魚の世界を知りたい、人間の世界を知りたい、お互いの知的好奇心を埋める存在の日和と話していくたびに、人間の世界に魅せられていく。
彼の話す『歌劇』を観に行きたいと願い、なんでも願いを叶えてくれるという魔女のもとへ赴く。
海の魔女の零と出会う広報さん(人魚)との邂逅の回想。なお、これが初対面とは言っていない。
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