爆豪くんに引かれるま後をついていく。その間にも爆豪くんは一切口を聞かずただ私を離さないで腕を掴んでいる。ひとけが無い空き教室に行くと爆豪くんは扉を閉めて私に向き直る。








「……アイツとなにしてた」
「…なにもないよ」
「っ、半分野郎のことが好きなンかよ!!?」
「なんでそうなるの!!」







咄嗟に声を上げる。確かに轟くんは好きだが恋愛としての部類ではない。









「…爆豪くんこそさっき告白されてたでしょ」
「あ?ンなもん断ったわ」
「え……」






断った。その一言で安堵してしまう自分がいる。それより、と言わんばかりに目の色を変えた爆豪くんがじりじりと私に詰め寄る。私も雰囲気が変わった爆豪くんに違和感を覚えて後ずさりをするが後ろの壁まで追いやられてしまい逃げ場を無くす。横から逃げようと思った矢先爆豪くんは腕で私を囲う。
これは世間でいう壁ドンだ。威圧を感じてときめきどころではないのだが。









「ね、ねえ、近いんだけど」
「あァ?さっきもアイツとこれくらい近かっただろーが。……何話してた」

「別に…私を心配して話しかけてくれてただけだよ」
「話すだけでそんなに近くなンのか?」
「っ、轟くんが天然なだけでなんにもなかったよ!てか、なんでそんなに怒ってるの…!!」








いつものように言い合いが始まる。








「……爆豪くん妬いてるの?」








ピクリと爆豪くんが反応する。










「……るせぇ」







図星だったようだ。素直に認める爆豪くんの姿が可愛く見えて仕方ない。









「爆豪くん可愛いね」
「っ、るせえ!!てめェのことになると余裕なくなンだ!!!
……俺ばっかアホみてーだろ。」









ボソッと言った一言が聞こえる。静まり返る教室で私達は二人きりだ。爆豪くんに対するこの気持ちが何なのかわかった途端普段とは同じように接することが難しい。ふと爆豪くんから顔を逸らす。








「……ふうか。お前何かあると顔背けるよな」
「えっ」
「…言いたいことあンなら言え」








言いたいことだなんてこんなの恥ずかしくて言えない。










「……本当に半分野郎のことが好きならもうしつこくお前のとこに行かねえよ」








スッと私の横にあった腕が引かれる。爆豪くんは悲しそうな顔をすると私から少し離れる。







「っ、待って」
「……帰るわ」








爆豪くんが背を向けて教室のドアを開けて出ようと歩き始める。きっともうここで何も言わなかったら本当に終わってしまう。そんなのは嫌だ。体が動く。私は爆豪くんの背中に抱きつくように爆豪くんの足を止めさせた。







「違うよ爆豪くん。私轟くんが好きなんじゃないよ」
「……」


「た、確かに俺ならそんな顔させないだなんて言われたけど」
「はぁ?!」


「け、けど!!!
私もさっき爆豪くんが女の子に連れて行かれた時嫌だって思った」


「……」
「それに余裕がないなんて私の方がだよ…」




本当に胸が苦しくて嫌だってたくさん思った。ぎゅっと爆豪くんを抱き寄せる力が強くなる。








「……私、爆豪くんのことが好き。
友達としてじゃない、1人の男の人として好きなの…っ!」









言ってしまった。恥ずかしさでいっぱいになる。人生初の告白だ。
中々返事がない爆豪くんに引かれたのかと気分の上げ下げが止まらない。
ようやく動いたかと思えば爆豪くんは私の腕を離し今度は私に向き合って抱きしめてくれた。








「爆豪くん?」
「……もう2度はねえぞ。
俺と付き合え」
「っ、ふ、何それ。
……うん、付き合ってください」






爆豪くんらしい答えだと思わず笑ってしまう。暫くすると私達は目が合い引き寄せられるようにキスを繰り返す。優しく愛しそうにキスをする爆豪くんに応えるように私も自分から爆豪くんの頬に手を添えて応える。
その日私達は晴れて付き合うことになった。








《一途な彼と私》



「んっ、待っ」
「待たねェ。散々待ってやっただろ」