本日、一番返ってきてほしくない物が返ってきた。学校に通っているなら知っていると思うが、紙切れ一枚のテストと言う名の用紙。こんな紙一枚ごときで成績という評価もされてしまう。テスト勉強はしていたが、予習が外れてしまった。そして、赤点をとってしまった。たった一個だが、その一個が気分を悪くさせている。
「ど…どうしよう…。こんな点数、見せられない…」
何度見ても、数分後とに見ても、一時間ごとに見ても、25点という点数は変わらない。どうにかして52点に出来ないものかと悩んでいても無理だ。神よ!私が何をしたというのだ!となまえは頭を抱えて喚いていた。赤点をとってしまった事は仕方がない事だ。次回頑張ればいいと気持ちを切り替えさせようと、なまえは隠していてもどうせ見つかると思い、テスト用紙を持って、怒られる事を覚悟しながらコックリさんがいる部屋へと向かった。
「嬢ちゃん、落し物だぜ?お…?これってテストの…」
「のぉぉおおおっ!!見るなぁっ!!」
「おっと、見るなって言われたら見るってもんだぜ?あ…これは…」
「返して!私の…未来が懸ってる、その紙を…」
「未来…?嬢ちゃん、頭、大丈夫か?」
気分が沈んだまま、部屋へ向かっている途中に手から落ちたテスト用紙。それに気づかず歩いていたなまえ。たまたま、後ろから歩いていた信楽は、何やら足元に落ちたもの拾った。またどっかのスーパーのチラシだろうと拾って見てみると、そこに書かれてあったのはなまえのテスト用紙だった。わざとなまえに聞こえるように、伝えると、もの凄い高速で信楽に向かって走ってきた。だが、遅かった。ひょいっと信楽がテスト用紙を上にあげて、点数を見る。ひらひらと舞う紙を、なまえはどうにかして、取り返そうとするも、そんななまえを余所に、信楽は、あちゃぁと言いながら25点と赤い文字で書かれてある点数を見た。そして、なまえからの発言に信楽はテスト用紙を返した。
「うっ…もう…最悪だ…。どうせ、馬鹿にしてるんでしょ…」
「おじさん、まだ何も言ってないぜ?」
「言ったじゃない!頭、大丈夫か?って!」
「そういう意味で言ったんじゃねぇよ。それは嬢ちゃんの勘違いだ」
終わりだ。私の人生終わりだと、テスト用紙をハンカチの変わりとして涙を拭うなまえ。たかが、紙一枚で泣くなまえに信楽はポンッと葉っぱ一枚を、テスト用紙と同じのに変化させた。点数は80点と書かれてある。所謂、現実逃避だ。これで気分も晴れるだろうと、手渡すと、ビリビリに破られた
「やっぱり…馬鹿にしてるじゃない…」
「嬢ちゃんは馬鹿じゃねぇよ。おじさんと違って」
「信楽…?」
「いいか、嬢ちゃん。学生の内は確かに勉強が主になってる。だがよ、テスト一枚に書かれてある点数によって、未来が決まるってのは、間違ってるぜ。そんな点数で未来が解るってんなら、そんな紙、捨てちまえよ。その方が返って楽だしな」
世の中全てが勉強だけではない。なまえは信楽が言った意味を何となく理解した。うん、と返事をすると、じゃ、一緒に狐の所に行こうぜと手を繋ぐ。え?と驚くなまえ。今回は自分が悪い訳で、信楽が悪いとかの問題ではない。これは自分の問題だ。人を巻き込むのはいけない。なまえは待ってと足を止めた。
「だ、大丈夫だよ。一人で…」
「なまえ、おじさんはなまえが泣いてる所なんて、見たくねぇんだよ。おじさんと一緒なら、気分も違うだろ?」
「で、でも…」
「おーい、狐。入るぞぉ〜」
強引になまえと一緒にコックリさんの部屋へと入った。特に何も言われずに済み、ほっとするなまえ。部屋を出て、また再度、手を繋ぐ。さっきまでの気持ちは一体、何だったのだろう。でも、信楽が言っていた言葉でもやもやが解消されたような気がする。
「嬢ちゃん。おじさんが良い点数が出る、おまじないやるよ」
「おまじないって…んっ!」
「100回、キスしたら、100点ってな?」
ウインクをしながら、なまえを誘ってみる。そんな、おまじない信じないと言いながらもなまえは信楽のキスを受け入れるのだった。
fin
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繰繰れ!アンケートでネタを提供してくれた琥珀様、ありがとうございました!
信楽で甘々
「テストの点数が悪い所を信楽おじさんに慰められる話」