今日の朝は一段と寒い。起きて、部屋から出てみると、外の景色に驚いた。真っ白な雪が積もっていた。肌に伝わる寒さに、信楽は身震いした。寝ている間に降ったのかと、欠伸をしながら朝食を食べるべく、台所へ向かい、ご飯を食べて、煙草を吸うべく外へ出た。太陽の光に当てられて、遠くから見ると雪からキラキラとした景色が眺められた。一気に気温が下がったため、くしゃみをする信楽。鼻を摩りながら、自分の家以外、どうなっているのか気になり、家を出た。



「すげぇ、降ったな…。流石にこれじゃぁ、嬢ちゃんも来ないか…」



ふぅ、と息を吐くと白い。耳も冷たくなり、少し痛い。ある程度の場所まで行ったら、戻ろう。そうしないと自分が凍結してしまう。どこを見ても雪だらけの町に信楽は、独り言をぶつぶつ言いながら歩いていた。すると、曲がり角の場所に到達すると、小さな足跡を発見した。ここの右曲りの先はなまえの家付近。頭の中からなまえの顔が思い浮かぶ。まさかな、と期待していた自分に呆れながら先へ先へと歩くと、ピンク色のジャッケトと白い毛糸の帽子を被っている、小さな女の子を発見した。ずっと立ったままで動かない



「う〜ん…!あしがとれなーい!ん〜っ!うひゃっ!?」

「あっ!嬢ちゃん!?だ、大丈夫か!?」



こてん、と後ろから倒れた女の子。驚いた信楽は大慌ててで、傍に駆け寄った。幸い、雪がクッションとなり怪我はなさそうだ。長靴が雪に埋もれてしまい、それで苦戦していたようだ。ぐずぐずと泣いている女の子に、近づくと、その姿はなまえだった。もう一度、大丈夫か?と声をかけながら、なまえを抱き上げて、背中についてしまった雪を軽く掃い、抱き上げたまま、取り残されてしまった長靴を取り、なまえに履かせる。落ちてしまった毛糸の帽子も取り上げて、パンパンと雪が何処にもついていないか確認をし、なまえに被せた。



「うっ…うぅ…おじ、ちゃん…」

「あ〜あぁ、痛かったな、なまえ。もう、大丈夫だぜ。おじさんがいるからな。良い子だから、泣くな。嬢ちゃん」

「う、んっ…」



背中を摩りながら、なまえを安心させる。薄っすらと涙が目尻に溜まっているのを見て、信楽は指で拭い、そのまま指についている涙を舐めた。首を傾げて、信楽が何をしたのか解っていないなまえ。鼻と頬が赤く染まっており、寒さが見て感じ取れた顔をしているなまえを見て、ぷに、と頬を指で突いた。



「ところで嬢ちゃん、こんな寒い中、何してんだ?」

「ゆきだるま、つくってたの!」

「雪だるま?」

「うん!ほら!あそこにあるやつ!」



なまえが指をさす方へと向かうと、小さな雪だるまが三つ並んでいた。成程と納得する信楽。作り終わって、もっと大きい雪だるまが欲しいと思ったなまえは、家の傍にある雪では足りないと思ったらしく、公園に行けばもっと雪があると思いついたらしく、そこに向かっている最中だったのだ。そして、深い雪にハマってしまい、今に至る。



「もっと、こーんな!おおきいのがほしい!」

「そうか…。だったら、おじさんと一緒に作ろうぜ?雪だるまじゃなくて、雪狸ってやつをな」

「ゆきだぬき…?」

「おうよ!おじさん、狸だからよ」

「おもしろそう!たぬきのゆきだるま!」



小さい子に自分が狸と発言しても何も気にしていない。大人になると、やたらと細かく指摘する人と違って、子供は単純だから接しやすい。抱っこしていたなまえを下ろして、やるか!となまえとハイタッチをする。一緒に雪を集めて、お腹と顔の土台を作っていく信楽。冷たてぇと手に伝わってくる冷えと戦いながら、なまえと一緒に雪を触り、固めていく。



「なまえ、あんまり無理はするなよ。手が痛くなっちまうからな」

「はーい!」



ずるる、と鼻を鳴らしながらなまえも手伝っていく。はぁと自分の吐息で手を温めるなまえ。信楽に耳を作ってくれと頼まれて、ぽんぽんと雪を叩きながら、丸い耳を作り、それを信楽に渡した。可愛らしい耳の大きさに、笑いながら受け取り、頭の上につけた。最後に目と鼻をつける石を見つけた信楽は、それをなまえに渡して、顔を作っていく。



「完成だな、嬢ちゃん」

「まだだよ!おじちゃん!」

「まだ…?」

「うん!えっと…あった!ここを、こうして…。はい!ゆきだぬき!おじちゃんといっしょ!」

「なまえ…」



何がまだなのか疑問に思っていると、なまえは小枝を見つけて、それを雪狸の右眼に線を書いていった。笑顔で信楽にピースサインをするなまえ。解ってないようで、子供はしっかりと覚えていたのだ。信楽はそんな綺麗な心を持っているなまえに何かを感じ取ったのか、座って、なまえを手招きする



「おじちゃん?」

「ありがとな、なまえ」



冷え切ったなまえの頬にキスをした信楽。そのまま、抱き締めて、ご苦労さんとお礼を言った。なまえはニコッと笑って、信楽の胸の中で温もりに触れていた。


後日、公園に行く、手前にある雪狸は、雪が解けるまでの間、近所で有名になったという話がちらほらと耳に入ってきた。たまには雪もいいかもなと信楽は、またいつもの散歩コースを歩きながら、なまえに逢うのを楽しみにしていた。


fin

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繰繰れ!アンケートでネタを提供してくれた、黄昏様!ありがとうございました!

信楽で甘々

内容

「信楽と幼女」の続編で信楽さんと雪遊び




miel