休日は部屋の掃除が日課になっているなまえ。毎週、掃除をしているので、これといった汚れはないが、雑誌の整理整頓や、もう着ないであろうと思っている服を段ボールに詰めていく。窓際で育てている観葉植物に水をあげて、掃除は終了した。今から、お菓子を食べようと、なまえはジュースを取りにいく為に部屋を出ようとドアノブに手をかけようとしたら、信楽の声がした
「嬢ちゃん、入るぜ」
「あ、もう…いつも思うけど、ノックしてよね、信楽」
「はいはい。そうだ、嬢ちゃん。これ、おじさんからプレゼント」
「わっ!お菓子にジュース!しかも、こんなにいっぱい。今日はパチンコに勝ったの?」
「まぁな。だから一緒に、お茶の時間にしようぜ?」
「うん!」
いつも勝手に入ってくる信楽に注意をするも、信楽から渡されたプレゼントで、その事はチャラになった。両手で持っている袋を貰い、中身を取り出す。チョコレートやスナック菓子。オレンジジュースに、何故か栄養剤が入っていた。きっと信楽が飲む物だろうと、それは袋にしまって、テーブルの上には色々なお菓子が拡げられていた。疲れた時には甘い物を接種という事で、アーモンドチョコを一口食べる。美味しいと言いながら、あれやこれと、なまえは一口ずつ食べて行った
「美味いか?嬢ちゃん」
「美味しい!信楽も食べなよ。私ばっかり食べてるような気がするけど…」
「そうか?じゃ、おじさんも食べるとするか」
信楽は煎餅を手にし、食べていく。時々、なまえから甘いチョコを食べさせてもらったりしていた。少しだけお腹がいっぱいになった所で、お菓子を食べるのを止めたなまえ。あんまり食べ過ぎると晩御飯が食べれなくなってしまう。それに太る事も気にしなければならない。何事も、程々で止めなければいけないのだ。両腕を上げて背筋を伸ばしていると、袋に入っている栄養剤を取ってくれと頼まれた。返事をしながら、それを信楽に渡した。
「ねぇ、信楽。それって美味しいの?」
「ん?これか?美味いっていう分類ではないと思うぜ?」
「そっか。私、飲んだことないから、どうなのかなって」
「だったら、嬢ちゃんも飲んでみるか?」
「え?いいよ、苦かったら嫌だし」
「遠慮すんなよ。おじさんが飲ませてやるから」
怪しげな笑みになまえは困惑する。瓶のキャップを開けて、一口だけ口に含み、いきなりなまえに口移しで飲ませた。信楽の口内から栄養剤が自分の口の中に流れ込んでくる。これは飲まずにはいられない。液体が喉に到達すると、コクリと飲んでしまった。喉奥の音を聞いた信楽は唇を離して、まだ残っている栄養剤をなまえに渡した。これを全部飲めという事なのかと思っていると、信楽はなまえに自分と同じ事をして欲しいと頼んだ
「それって…あの…」
「おじさん、嬢ちゃんからの口移しで飲みたいな」
まだ、やるとも言っていないのに嬉しそうな顔をしている信楽。飲み物を口移しでなんて、やった事がない。持っている瓶を見つめて考えるなまえ。味は自分が思っていたよりも苦くはなかった。若干、甘い香りが広がっていたのも事実。なまえは持っていた瓶を口の中に持っていき、液体を口の中に含んだまま、自分の唇を信楽の唇にあてて、そっと口を開ける。同じタイミングで信楽も口を開けて、なまえから栄養剤を受け取る。零さないように全部、飲むと、なまえが離れないように、そのまま頭を押さえて、抱き締めた。
「…んんっ!ん、んーっ!」
信楽の舌が割り込んできて、口内を犯される。そして、キスから解放される。離して、というと、信楽はあっさりとなまえを離した。自分が座っていた定位置に戻ろうとすると、一瞬だけ目の前が揺らめいた。その違和感に何?と目を閉じて額に手をあてる。だが、それは直ぐに治ってしまった。信楽はさっき、なまえがよろめいた姿を見逃さなかった。壁にかけてある時計を見て、ニヤリと笑う。後30分と信楽は呟くのだった。
Fin