「んんっ…ん、っ…」
信楽からのキスが止まらない。逃げても逃げても、絡まれてしまう。角度を変えて奥に舌を入れられたり、舌を吸われたりして、もうなまえには抵抗力がなくなっていた。こくり、と信楽から唾液が送られて飲みこむ。キスだけで全身が支配されているような感覚。落ちると思っていると、やっと信楽の唇から解放された
「あっ…っん…」
「さて、嬢ちゃん。おじさんが聞きたい事…解るよな?」
「どうして…さっき…逃げたか?って事?」
「そうだ。」
「…じゃ、言う前に一個だけ質問させて」
「ん?」
「信楽…あの子と…付き合うの…?」
「は…?おじさんにはなまえがいるっていうのに、何でそんな風に思うんだ?」
そっぽを向くなまえに信楽は体制を変えて、なまえの横に行き、後ろから抱きしめるように密着した。きゅっとシーツを握りながらなまえは今日の出来事を全部話した。実はあの時、屋上にいたこと。告白を聞いてしまったと。帰宅途中で信楽が自宅まで送ってあげたのを知り、変な風に考えてしまったと。信楽は生徒たちにモテる。一線を越えたいと思ってしまうほどに。自分が知らない所で、信楽や狗神が、知らない女性に告白をされていると思うと不安になる。まだまだ自分は子供だと自覚してしまう。なまえの話を聞いた信楽は、こっちを向くように指示をする。なまえの顔が信楽の近くに来て、おでこにキスをした
「おじさんは、嬢ちゃん以外の女とは一切付き合わねぇよ」
「うん…」
「実はよ…あの子…来週、転校しちまうんだってさ」
「転校…?」
「そ、だから…転校する前に告白を…ってな感じだな」
あの子は最初から答えは解っていたらしい。それでも想いを止められずに、告白をしたのだ。悪いなと断ると、泣きながら、ありがとうございます。と笑いながら接する女の子に対して、一人にしておくのもどうかと、信楽は一緒に自宅まで送ると自分なりにフォローをした。なまえに気づいたは、たまたまだと言う。彼女の自宅の近くに電信柱があり、その隣にあったポールミラーを、ふいと見たら、なまえが隠れている事を知ったのだ。そして、今に至る
「なまえ…おじさん、聞きたい事あった」
「なぁに?」
「保健室から、猛ダッシュで逃げるようにして帰っていったよな?」
「なっ…!何で…それを…」
「狗神と何かあったのか?」
すると突然、なまえが信楽に抱き付いてきた。嬢ちゃん?と不思議に声をかけると、薄っすらと涙を浮かべて、信楽の胸に顔を押し付ける。なまえの方を見ると、顔は下を向いて、何も表情が窺えない。もう一度、嬢ちゃんと呼ぶと、小さな声で喋る声で話をするなまえの言葉に信楽は驚きを隠せなかった。