07

「今日は頑張ってもっと増えてみました。」
高速強化テスト勉強授業2日目。昨日の5倍ほどになった殺せんせーの分身。やる気があるのはいいんだけれど、増えすぎでしょ!!
残像もかなり雑になっているし…。雑過ぎて別キャラになってない!?

「ここはですねぇ、相沢さん。」
「は、はい。」

×××

「ハァ――…ハァ――…ハァ――…」

教卓に寄りかかってうちわを扇ぐ殺せんせー。さすがに相当疲れたみたいだ。

「物好きだよね、あのタコ。」

かたーんかたーんとイスを揺らしながら
赤羽が言った。

「俺、テスト範囲のかなり先までやらされたんだけど。」
「あぁ〜……。」

私もだ。社会は苦手ってこともあって、2、3単元しか先へ行っていないけれど他の教科はかなり進んだ。
特に、英、数、国。得意ということがわかると、殺せんせーはマッハで教え始めた。

「なんでそこまで必死に先生をやるのかなぁ……。」
「理解出来るわけないって、そんなの。」

きっと、私には一生理解できないんだろうな。

「赤羽、理科どこまで進んだ?」
「2学期の中間あたりまでは進んだんじゃない?」
「……………ここ、わかんない。」
「しょぉぉぉぉぉがないなぁ!!」

ニタリ、と悪い笑みを浮かべながら教科書を覗きこむ赤羽。

「貸し1ね。」
「駅前のジェラートでどうだ。」
「ん〜………。」
「期間限定。」
「んん〜…………。」
「………2個。」
「このページ良く読めばわかるんだってー!!つまりはさぁ、この式が――……」

普通よりも全然高くついたが、教え方は上手いので良しとする。

「テスト後の放課後に買ってもらおうかなぁ〜。」
「お金渡すからお一人でどうぞ。」
「もちろん一緒に行くよね〜。楽しみだなぁ〜。」

腹立つなぁ〜。今度の女子会で行こうと思ってたお店なんだけどなぁ〜。食べ歩きでそのままショッピングとか………夢だったんだけどなぁ〜。

「あーあ、楽しみが。」
「いいじゃん俺と行くのも楽しみでしょー?」

「カルマ!!美藍!!」
「ん、なに木村。タイミング悪いなぁ。隣の席で2人でお話し中だよ?ちょっとは気を使うとかさぁ――……」
「こいつはほっといていいから。なぁに?」
「え、いや、あの。殺せんせーが、校庭に出ろって。」

×××

「一体なに………?」

殺せんせーは、校庭に出るなりゴールやらなにやらを退け、イリーナ先生や烏間先生に質問をした。そして、校庭のど真ん中でくるくると回り始めた。

「暗殺という拠り所を、もし君たちが今失ったら。E組の劣等感しか残らない。」

――そんな危うい君たちに先生からの警告です

「ちょっと、殺せんせーなにするのよ!?」

殺せんせーが起こした巨大竜巻が、激しい音を立てながら校庭を削っていく。草や木、土が舞い上がってよく前が見えない。

――第二の刃を持たざる者は…暗殺者を名乗る資格なし!

「少し手入れをしました。」
「!!」

竜巻が消えた後の校庭。そこには、前のような荒れた土地はなく、きれいに平らになった校庭があった。

「先生は地球を消せる超生物。この一帯を平らにすることなどたやすいことです。」
「「……………………。」」

「もしも、君たちが。自信を持てる第二の刃を示せなければ相手に価する暗殺者はこの教室にはいないとみなし、校舎ごと平らにして先生は去ります。」
「第二の刃……いつまでに?」
「決まっています。明日です。明日の中間テスト、クラス全員50位以内を取りなさい。」
「!!?」

無茶だ。殺せんせーは確かに教え方は上手い。殺せんせーがいれば大概のテストは満点近くを取れるだろう。点の取りかたも、きちんと教えてくれるから。
でも、ここは私立の進学校。椚ヶ丘学園だ。偏差値は66。普通ではない。ここのテストは難易度もおかしければ生徒の学力もおかしい。いくら点を取れたって、A組のような奴らがいるから、50位以内はなかなか入れない。

「君たちの第二の刃は先生が既に育てています。本校舎の教師たちに劣るほど、先生はトロい教え方をしていません。
自信を持って、その刃をふるってきなさい。仕事を成功させ、恥じる事なく笑顔で胸を張るのです。」

――自分たちが暗殺者であり、E組であることに!!

酷く簡単であまりにも難しいこと
声を高らかに
自分を誇れ



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