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「カルマ君、同じ班なんない?」「ん〜?オッケ〜。」
班。その言葉で思い出した。なんてこと。私は今までテストで頭がいっぱいで忘れていた。
そうだ、もうすぐ修学旅行だ。
「で、メンツは?渚君と杉野と茅野ちゃんと?」
「あ、奥田さんも誘った!」
楽しみにしてはいたんだけど、時間の余裕が無かった。誰も誘っていない。
「神崎さんでどうでしょう?」
「おお〜異議なし!」
茅野っちと有希ちゃん、奥田さんはもう決まっているみたいだし……。
どうしよ、莉桜でも誘おうか。矢田ちんはどうなんだろう。メグはもう決まってるかな……。
「んで、7人班だから美藍でしょ?」
「そだね。じゃあ片岡さんに言っとくよ。」
「ん、ちょっと待て。」
今私の名前が出てこなかっただろうか。いや、出てきた。
「本人に了解なしにってどうなのよ。赤羽。」
「え、だって異議ないでしょ?」
「まぁ、そこの2人はセットだしね。」
「渚?待って渚?味方じゃないの?」
まさかの渚に裏切られた。他の班にお世話になろうと思っていたのに。
「美藍!!あなたの班はどこに行くの!?」
「イリーナ先生?」
「私も連れて行きなさい!!」
「え、ちょ、どうしたんですかっ!?」
ぎゃーぎゃーと騒がしい教室。みんなのテンションは右肩上がりだ。
「ひとり一冊です。」
そんな教室に入ってきた殺せんせー。手には辞書……よりも厚い本。
「何これ殺せんせー?」
クラス全員分の辞書なんて、この校舎にあっただろうか。
「一体どこからこんな辞書持って来たの?」
「いえ、修学旅行のしおりです。」
「「辞書だろこれ!!」」
「イラスト開設の全観光スポット。お土産人気トップ100。旅の護身術入門から応用まで……。昨日徹夜で作りました。初回特典は組み立て紙工作金閣寺です。」
「どんだけテンション上がってんだ!!」
「そろいもそろってうちの先生は!!」
こうもテンションが高いとは。大体先生は京都までなら1分で行けるんだ。
イリーナ先生だって、世界中を見て来ているんだから今更京都だなんて。
「移動と旅行は違います。皆で楽しみ、皆でハプニングに遭う。
先生はね、君達と一緒に旅できるのがうれしいのです。」
「………ふふっ。」
でも、やっぱり殺せんせーは殺せんせーだ。
「暗殺との関係も考えると……。」
「観光っぽくしてカモフラ必要だよね。」
「殺せんせーの好きそうなところに行って気を引かないと。」
「でも私たちの観光要素も入れたいじゃん?」
観光して、お土産買って、八つ橋箱買いして、暗殺して。
普通の修学旅行よりも、きっとたくさんの経験が出来るだろう。
計画が進んでいくとともに、私もテンションも上がっていった。
まだ始まったばかり
「何してんのさ、美藍。」
「見てよ。この特典の金閣寺、クオリティ高いよ。」