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「うひゃひゃひゃ!!チョロすぎんぞこいつら!!」

気持ちの悪い笑い声が車内に響く。
連れ去られたのは、私、有希ちゃん、茅野っちの3人。
奥田さんはいなかったから、きっとどこかに隠れていたんだと思う。賢い選択だ。

「その台無し感がいいんじゃんか。」

車のナンバーは隠してある。きっと盗車だろうし、どこにでもある車種だ。
ってことは。こいつら犯罪慣れしてる。
男子3人と奥田さんが警察に通報したとして、すぐに解決できるわけじゃないだろう。

「台無しの先生が何から何まで教えてやるよ。」

落ちつけ。杉野や渚は殴られていたけど、そこまで酷くなさそうだった。
パイプで殴られた彼も血が出ているわけではなかったし、それほど重症ではないんだろう。
大丈夫。あちらの心配はいらない。私たちのするべきことは自分たちの安全を、早めに確保すること。

「うひゃひゃひゃ!!」

調子のいい事いっているサル共に今すぐにでも一発お見舞いしてやりたいが、ここは我慢だ。
きっとこいつらの目には私はただの女子としか映っていない。好都合。
拘束もそれほどきついわけではないし、油断もしている。このガムテープさえ取れば、全員ノックアウト出来る自信はある。

だから、今は――ただ耐えろ。

×××

「み、皆!!!大丈夫ですか!?」

奥田さんの声。どうやら隠れていたおかげで、無事だったようだ。
渚君や杉野も痛がっているけれど、それほど酷くはなさそう。みんな無事だ。ここにいるみんな、は。

――大切な彼女が、いない。

「………………車のナンバー隠してやがった。多分盗車だし、どこにでもある車種だし。犯罪慣れしてやがるよあいつ等。通報してもすぐ解決はしないだろうね。

っていうか、俺に直接処刑させて欲しいんだけど。」

情けない。大切な人ひとりも守れなかったなんて。
助けたい。今すぐに。でも、どうすればいい?
車がどこにいったかなんてわからない。あいつらが行きそうな場所がどこにあるかもわからない。土地勘がないから、心当たりなんて、1つもない――……。

「班員が拉致られた時=B」

「………しおり?」

殺せんせー自作のしおりをとりだした渚君。こんな分厚い本、持ち歩いていた人が美藍以外にいたなんて。

「大丈夫。今すべきことがちゃんと書いてある。」
「………じゃあ、早く。」

――助けに行こう。

泡になった人魚姫
彼女の口からこぼれた言の葉を
それをどうしても確かめたくて



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