29
●●●
「クラス対抗球技大会?」「そ。美藍はスタメンね。」
「え!?」
「今回も活躍期待してるからね!」
「うそでしょ無理だよ!!」
………そんな会話をした先日が懐かしい。
「やばい、次だよ私たちの試合!!」
今、トーナメントは決勝戦の真っ最中。残り時間もあとわずか。
E組の試合の時間が近づいている。
「みんな!頑張ろう!」
「「もちろん!」」
みんな気合十分。私もシューズを履き替えて準備万端だ。
そろそろアップを始めるころ。ボールに触っておこうかな。でも試合の邪魔に――
「美藍!!」
聞こえた高い声に振り返ると、大きく手を振りながら近付いてくる集団。
「あ――、久しぶりだね。」
去年同じクラスだった女子たちだ。
「久しぶり!!!」
大きな手振りと高い声に、相変わらずだなぁと思う。
ニコニコしているけれど、裏で何思っているかなんてわかったもんじゃない。
「ねぇ、聞きたい話があるんだけど、いい!?」
「聞きたい話……?」
挨拶も早々にふられた話題。彼女たちに話せるような面白い話だなんてあっただろうか。
「美藍ー、アップいくよー。」
「あー、待って!!今行く!!ごめん、また今度!!」
「え!?今聞きたいのにー!」
ごめんごめん、と適当に流して、メグのもとへ急ぐ。
「あれ……、A組の女子?」
一部始終を見ていた莉桜が心配そうに尋ねてくる。
「去年同じクラスだったの。適当に流しといたから大丈夫。」
そう……?と、まだ少し納得していない莉桜に、練習行くよ!!と明るく声をかけて走り出す。
これから大事な試合だから。みんなのテンションを下げるわけにはいかない。
×××
「やー、惜しかった!!」
「勝てるチャンス何度かあったよね。」
「次、リベンジ!!」
結果から言うと、E組の惜敗。何度かチャンスもあり、試合の流れもそこまで悪くはなかった。観客からしたら、もっとE組が負ける姿が見たかっただろう。その分では盛り下げられたと思う。
「じゃあ、男子の応援行きますか!!」
切り替えて男子野球の応援に向かう。
「今どんな感じ?」
「よぉ。」
得点板を見ると、3-0。
「野球部相手に勝ってるじゃん!!」
「まぁな。」
殺せんせーの特訓が良かったんだろうか。あの野球部に無失点で勝っているなんて。
「このまま勝てる?」
「いや――………あれがあるからなぁー。」
あれ、と言われたもの。グラウンドを見ると、
「理事長先生……………。」
「一回表から、ラスボスが登場ってわけ。」
武器を持たない勇者たち
「っつーか美藍。カルマんとこ応援行かなくていいのかよ。」
「ごめん、質問の意味。」
「応援来てくれないと打てないとか言いそうじゃね?」
「あー、想像がついてしまった自分がいや。」