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「ぐすっ……ぐすっ……。」お昼休み。教室ではみんながそれぞれ固まってお昼を食べている。
……にしては似合わない音が1つ。殺せんせーが泣いているのだ。
「なによ。さっきから意味も無く涙流して。」
「いいえ。涙じゃなくて鼻水です。」
「紛らわしい!!」
でも、こんなに大量の鼻水なんて、大丈夫だろうか。
「夏カゼですかねぇ……。」
「殺せんせーって人間と同じようにカゼ引くの……?」
――ガララッ
と、突然教室のドアが開いた。
「おお寺坂君!!今日は登校しないのではないかと心配でした!!」
お昼になってやっと登校してきた寺坂。機嫌はあまり良くないようだけれど。
「昨日1日考えましたが、やはり本人と話すべきです。悩みがあるなら後で聞かせてもらえませんか?」
「………おいタコ。そろそろ本気でぶっ殺してやンよ。放課後、プールへ来い。」
いきなり宣戦布告してきた寺坂。なんだか急な展開すぎる。それに寺坂1人の計画なんて不自然だ。
「お前らも全員手伝え!!」
自信満々に100億円を手に入れられると豪語している。けれど、不安で仕方ない。
×××
みんながあまり気乗りしないまま、放課後になってしまった。
「カルマ行かないの?」
「行くわけないでしょ。俺が行くと思うの?」
「思わないけど――……。」
それでも私はカルマを連れていかないといけないんだ。
皆がそろっている中で、カルマだけいないから。カルマを呼んでこいって寺坂にパしられた。ついでに、殺せんせーまで呼ばないといけない。
「美藍は参加すんの?」
「まぁね。」
ふーん、そ。と興味なさそうに言うと、イヤホンを付けてしまった。これは完璧にサボりモードだ。
「……もし殺れてもカルマにはお金あげないからねー。」
私の最後の言葉にも、ひらひらと手を振るだけで目も開けなかった。
そのまま私は教室へ向かう。
「殺せんせー!!行くよー!!」
一言声をかけてプールへ向かう。後ろから、はーいと返事が返ってきた。
「そんな感じでプール全体に散らばっとけ!!」
覗くと、みんな水着に着替えてプールに入っていた。
「なるほど。先生を水に落として皆に刺させる計画ですか。」
殺せんせーが私の後ろから、寺坂に話しかける。
それを見ながら、私は自分の役目を終わりだと言わんばかりにプールの堰がある方へ行く。ここなら座っても特に暗殺の邪魔にはならないと思う。
さっきはカルマに殺れたらー、なんて言ったけれど、殺れるとは全く思わない。こんな計画で、上手くいくんだろうか。
ふと目を向けると、寺坂が殺せんせーに銃を向けている。
「ずっと、テメーが嫌いだったよ。」
カチッ、寺坂が持っていた銃の引き金が引かれると、
――ドガァッ!!!
「ぇ………。」
堰が、私の足元が、爆発した。
儚いものの例え
「(息が………!!)」
「……美藍…、……?」