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期末テスト。椚ヶ丘中学校では成績がすべて。前回のテストでは、理事長の妨害により点数はあまり伸びなかったが、今回はそんなことは無いだろう。なぜなら、

「1教科1位をとるごとに触手1本かぁ〜。」

暗殺が絡んでくるからだ。
このクラスは1教科だけならかなり可能性がある。私も社会以外ならどの教科も自信ありだ。
何やらA組が自主勉強会を開いているようだけれど、私たちだってそれ以上に勉強してやる。暗殺のために!!と、昨日みんなで意気込んだ。

「で、それがなんでこんなことになってるの?」

そこまで思い出して、液晶画面から目をはなし、皆を見る。昨日の図書館組は苦笑いだ。

「1つだけ命令に従う、ねぇ〜。嫌な予感。」

昨日、図書館で勉強していた渚たちが、なにやらA組と賭けをしてしまったらしい。負けたら相手の命令に従う。どこか裏があるような気がしてならない。

「でもまぁ、皆本気だから大丈夫だろうけど。」
「「もちろん!」」

それでも私は皆を信用しているから、何も言わないとする。
今回の私の作戦は、数学満点だ。その他の教科は全て95点以上を目指して頑張る。
もう1教科くらい満点を取りたいけれど、きっと今回のテストの難易度は怪物並みだ。それを考えると、平均95以上、数学満点が打倒かと思われる。

A組とE組、それぞれ思うことはあるだろうけれど、私は私のベストを尽くすまでだ。

×××

「浅野。さっきはクラスの皆がいたから言わなかったが……E組にも勝機があるぞ。」

放課後のA組教室。残っているのは五英傑を謳われるメンバーのみ。その他は明日のテストに向けて、それぞれ塾へと駆けて行った。

「………なんだ急に。」
「覚えてるだろ?」

――相沢美藍

その言葉に、浅野がピクリと動く。
相沢美藍。彼女はとても気さくだった。それ故、学年を越して知り合い、いや、ファンが多かった。誰でも1度は話したことがあっただろう。
五英傑の彼らが彼女と親しくなったのもやはり、彼女からだった。
彼女は、彼らのことを勉強仲間と言った。彼女の実力は認めているから、仲間と言われてもそれほど嫌な気分ではなかったことは、彼らは共通して今でも覚えている。
3年になれば、同じA組になると思っていたのに――………

「………、それが?」
「それが、って……。2年までは俺らと並んでいたやつだ。1度だが君と同点1位をとった事もあるだろ?」
「赤羽と美藍か………。良いのがいるな。」

改めて面子を見れば、戦力になるやつがいる。その事実に荒木は少し押され気味だ。

「では、そのどちらも、押さえる手があるとしたら?」

浅野の言葉に、五英傑の他の4人が顔を見合わせる。

「赤羽をどん底に突き落とし、尚且つ美藍を上手く丸めこめる手が、あるとしたら?」
「そんなもの、あるのか?」

自信満々の浅野に、瀬尾が尋ねる。

「手は打ってある。」

にやり、と笑う浅野に、4人は寒気がした。

警鐘が聞こえる
「(LINE………?)」
「美藍どうしたの?」
「な、なんでもない!!」



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