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テスト当日。
皆が真剣に紙に向かってペンを走らせている。
私はこの緊張感が好きだ。でも、たまに1人だけで戦っている感覚に、とても恐怖を感じる。
動揺しては、いけない。
今はA組の事も、E組の事も、暗殺のことも、全て忘れろ。そして、この問題のことだけ考えろ。

×××

早すぎる3日間だった。
テスト返却までの、心の準備なんて出来るほどの余裕はなかった。
A組との賭けをしている皆の様子を伺う暇なんて、あるわけない。
これで、私のこれからが決まる。そう思うとぞくりとして、居ても立ってもいられなかった。

「では、発表しましょう。」

それぞれの想いが渦巻く中で、返されたテスト。
結果から言えば、

英語1位 中村 莉桜 100点
国語1位 浅野 学秀 100点
社会1位 磯貝 悠馬 97点
理科1位 奥田 愛美 98点

「数学の結果を待たずしてE組がA組に勝ち越し決定!!」

この時点でE組の勝利は決まった。そして、数学は――……

「数学、E組1位は相沢美藍!!学年1位は――……」

きっと、ここで浅野君が引き下がることは無い。

「素晴らしい!!相沢さんと浅野君で同点同列1位!!」
「………やった!!」

英語 98点 国語 95点 社会 90点 理科 96点 数学 100点 計 479点 4位

満足いく結果だ。それでもやはり、社会を上げなくてはならない。
が、これでもう決まりだ。

隣のカルマが席を立った。そこに来て、初めて彼の成績があまり良くないだろうということを察する。
そう言えば、勉強していなかった。サボっていたんだろう。

私自身、彼の勝ち方は好きだ。通常運転でサラっと勝ってこその完全勝利。その通りだと思う。だが、その通常運転は、努力に溢れた通常運転でないといけない。
努力せずに出来るわけない。本当の完全勝利とは、見せた精一杯の努力を全く匂わせずに通常運転を装い、勝つことだ。
私も、気が付けたのはこのクラスになってから。去年はそれに気が付けずに成績を落とした。今思えば、なんてバカだったんだろうと思えるけれど。

次のテストが楽しみだな、なんて、まだまだE組から抜けれない思考回路に嫌気がさす。
切り替えなくては、とそう思ったのを見計らったように、ケータイが軽快な音楽を奏でた。

数学1位、おめでとう

それを言うなら君もでしょ、と返したくなるがありがとうとだけ返信しておく。
彼は不器用だけれども、そこに悪気は一切ないのだ。

後で行くね

もう一文追加して、ケータイを閉じる。

「美藍、終業式だよー。」

バックの中を漁り、茶色い封筒を手にとって、

「うん、今行く!!」

私は確かに、皆の目を見て答えた。

飛べない羽根なんていらない
クラスでの闘いは終わった
これからが、私の勝負



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