05

「美藍おはよー。」
「ん、おはよ。」

あれ以来、私の学校生活は少し変わった。
登下校は近くの駅まで、クラスのみんなと一緒に行くようになった。電車も、同じ電車に乗る生徒が数人いるから、一緒に乗っている。だからもう、イヤホンは必要なくなった。昼休みも、みんなとお話してるし。放課後も、たまに女子会でカフェに行く。
携帯の中に入っていた音楽の量が減って、代わりに、

「美藍、この前撮ったカフェでの写真ー。LINEで送るね。」
「ありがと!!私もプリ送っとくわ。」

みんなの連絡先と写真が増えた。なんだか青春ってカンジがする。私、ちゃんと中学生やってるなぁ。

「イリーナ先生おはよ。この前言ってたちょっとお高めのカフェ、オープンしたんだけど先生行く?」
「美藍!!なんて優しいの!!!」
「ちょっとお高めって言っても私たちから見たらの話しだから。先生から見たら小銭程度の値段かもしれないけど。」
「行くわ!!!!」

イリーナ先生ともなんだか仲良くなったし。というか、イリーナ先生が懐いてきた感じだ。
先生は若くて、先生って感じがしない。烏間先生も殺せんせーもそうだけど。だからちょっと敬語は使いにくいんだよなぁ。

「美藍、ビッチ先生って言わないよね。」
「赤羽か。今日もうっとおしいな。」
「質問くらい答えよ!?」

イリーナ・イェラビッチ先生。略してビッチ先生。なんだけど、私はこのイリーナって名前がとても素敵だと思う。大致命女っていう意味だったような。その辺はわかんないけど。

「俺的にはビッチ先生の方がしっくりくるな。あの人。」
「それはあんたの勝手でしょ。」

この赤羽ともなんだかんだで登下校一緒なのである。すっかり私もE組だ。

×××

「ふふふふふ。」

さっきから横の女教師が気持ち悪い。やけににやにやしている。

「ふふふふふふ。」
「イリーナ、黙れ。」
「うるさいわカラスマ。」

うるさいのはどっちだ。お前だろう。

「ヌルフフフフ。イリーナ先生は放課後相沢さんとお茶のようで。楽しみにしているんですよ。」
「…………少し抑えられんのか。」

相沢美藍。不思議な生徒だと思う。初めにこの生物をクラスに紹介したときも、あまり動揺が少なかった。そのうえ暗殺に非協力的。100億円にも地球にも興味がないようで、体育の時間もやるにはやるが意欲に欠けていた。
平均点は越えるが、満点は目指さない。そんな生徒だった。やる気のない生徒よりもやる気のある生徒を伸ばした方がいい。それに一応はこなしているのだ。そう思って俺からは声はかけることはなかった。
が、教員室ではよくやつが白紙のテストと睨みあっていた。

うーーむ。今回も白紙です。

暗殺に向かい、手入れされたイリーナや赤羽業はすぐにクラスにも奴にも心を開いた。
けれど、相沢美藍は少し違っていた。何度言ってもわからないのでの1点張り。授業も提出物もきちんと出すのにテストだけは白紙のまま。名前も書かない始末。

「ヌルフフフフフ。今回もカルマ君と相沢さんの満点トップですねぇ。」

それが、一体どう変わったのか。テストも全て満点解答。イリーナとも放課後お茶する仲。あれほどやる気のなかった体育では幼いころからやっていたという空手でかなりの成績だ。

「何があったんだか……。」
「カルマ君がいい仕事したんですよ。」

クラス内の事情はよくわからないが、有力な接近攻撃が増えたことに変わりはない。一刻も早く、こいつを暗殺しなくては。

放課後の焦がしキャラメル
「烏間先生!!うちの犬だよ!」
「………………!?」
「おい、烏間先生が美藍の犬見て言葉失ってるぞ。レアだ。」
「犬好きなんだね………。」



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