06

「さて始めましょうか。」

ザンっと登場したのは殺せんせーかける5。丁寧に5教科のハチマキをしてある。やる気Maxだ。すごい。と、言いたいところだけれど、始めるって………何を?

「学校の中間テストが迫ってきました。」
「そうそう。」
「そんなわけで。」
「高速強化テスト勉強をおこないます。」

殺せんせーの分身がペラペラと喋る。これ、どうやってるんだろう。マッハで移動しながら話して、それの残像……?それって無理がないか、少し。

「先生の分身が1人ずつマンツーマンでそれぞれの苦手科目を徹底して復習します。」
「わっ。」
「うおっ!?」

数学、英語、社会の分身が増えた……。

「下らなね……。ご丁寧に教科別ハチマキとか。」

そう言った寺坂の前に立っていたのは、NARUTOハチマキバージョンの殺せんせー。

「何で俺だけNARUTOなんだよ!!」
「寺坂君は特別コースです。苦手科目が複数ありますからねぇ。」

殺せんせーは、少しづつだけれど速くなっていると思う。

「答えは例文の中に隠れていますよ。では大ヒントをあげましょうか。」
「一発泣いて廃藩置県。覚えられるよう泣いている殿様を描いときます。」

国語6人、数学8人、社会4人、理科4人、英語4人、………NARUTO1人。
クラス全員分の分身なんて、ちょっと前まで3人ぐらいが限界だったのに。でも、これって訓練すれば速くなるものなのかな?
そりゃあ足の速さは毎日走ればかなり変わると思うけど、でも限界っていうものもあるし。殺せんせーの速さって、限界っていうものがないのかな………。

「よろしいですか?相沢さん。社会はほとんど暗記ですからね。」
「はーい。」

まぁ教え方も丁寧で文句ないからいいんだけれど。

「公民の分野ですが――」
「えっ!!!」

ぐにゅんと曲がった殺せんせーの顔。左よりになっている。一体何がっ!?

「急に暗殺しないで下さいカルマ君!!それ避けると残像が全部乱れるんです!!」

隣を見ると舌を出しながらナイフを突き出す赤羽。

「意外と繊細なんだこの分身!!」

なにやらおかしな顔の先生に社会を教えられている……。人生初の体験だよ、これ。

「でも先生、こんなに分身して体力もつの?」
「ご心配なく。1体外で休憩させていますから。」
「いやそれむしろ疲れない!?」
「ははは……。」

やっぱり殺せんせーは生物としておかしい。
この加速度的なパワーアップは、1年後に地球を滅ぼす準備なのかもしれない。なんにしても、殺し屋にはやっかいな暗殺対象で……。テストを控えた生徒には、心強い先生だ。

「相沢さん!都道府県くらい覚えておいてくださいよ!!!」
「覚えにくいんです40以上も!!」
「英単語は恐ろしいほど覚えているじゃないですか!暗記力は素晴らしいでしょう!?」
「覚える気にならないんですよ!!!!!」

次のテスト、もしかしたら苦手科目社会でいい点取れるかもしれない。

ばかじゃなかろうか
「飛鳥時代のあとから順番がわかりません。」
「ほぼ全部じゃないですか!?」



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