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絶対に帰らない。絶対に休まない。そう決めていた。
どれだけ辛くても、平然と教室で座っていてやる。誰も隣にいなくても、平然と登校してやる。絶対に途中で帰らない。休まない。
誰かと戦うように、意地を張ってなんとか1週間を乗り切った。
生憎E組教師の授業は面白く分かりやすいので飽きはしない。問題は登下校と、休み時間だった。
1週間教室に居たはずなのに、会話をしたのは片岡メグくらい。後は、初日の潮田渚か。
クラスにぽつんといる私に気を使っているのか、片岡メグはよく話しかけてくる。クラス委員としての責任もあるのだろう。なんとかして私をクラスに溶け込ましたいようだけれど、無理だ。
私自身寄り添う気もなければE組生徒も私に近寄りたがらない。固まって、集団になって。できそこないはいつもそうだ。数にたよるしか能がない。
それを、潮田渚は申し訳なさそうに見ている。「僕は違うんですよ」とでも言いたげに。
E組みんなのことは嫌いじゃないし藤田さんのことも嫌いじゃない。だから仲良くしてほしいな、困ったなって。そんな顔してる。
私に嫌われたくないだけだ。E組に嫌われたくないだけだ。結局、彼は気が弱い。
自分の意志がないから、流されるままだから。だけどいい人でいたい。そんなのって贅沢。
嫌い。大っ嫌い。
E組登校2週間目。椚ヶ丘中学校校門前。2年生の集団。
何かを言われたわけじゃない。何かをされたわけじゃない。でも、それが嫌だった。
空気のように、そこにいないかのように去っていく後輩。結局、私は1人だ。
もう限界だって。何かが崩れる音がした。
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