08
「転入生、来るらしい」
「この時期に?また暗殺者かよ」
「A組からだって」

「「「…………は!?」」」

朝からその話題でいっぱいだった。クラス委員の2人は烏間先生に呼び出され何やら話しをしている。
僕はみんなの話題にぐいぐい入っていくタイプではないし、少し外れたところから様子を見ているだけ。それでもやっぱり興味はあった。
A組からE組に一気に突き落とされるだなんて、前代未聞。そもそも3年になってからE組に転入すること自体が珍しい。一体誰だ、A組にそんな大層な問題児はいたか。

ああでもない、こうでもないと勝手な憶測がクラス中を飛び交う中、職員室からクラス委員の2人が帰ってきた。
ドアが開けられたと同時にそちらを見やるみんな。反応の速さにビクッと肩を震わせた2人だったけれど、顔を見合わせて、そしてとても言いにくそうに一言。

「藤田さん………だって」

シーン。それ以外に表わしようがない。シーン。カルマ君でさえ、茶化さずに目を見開いて黙っていた。
「え、まじで?」数秒してそんな声がどこからか聞こえ、だんだんと大きくなりざわつきはじめた。

藤田さん。A組の、藤田さん。
全校生徒が分かると思う。生徒会をつとめており、有名な彼女を知らない生徒はきっといない。
あそこまで、E組差別を徹底して行う生徒も、きっといない。

「どうなるんだろうね」

隣で顔を歪ませながら言う茅野に、僕は困ったように笑うしかできない。荒れそうだなぁ………いや、もうすでに荒れているか。

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