12月21日



12月21日。月曜日はやはり気がゆるんでしまう。2時間目の休み時間、寺坂は早いものでもう腹が減ったと騒いでいる。渚君は真面目に次の授業の予習をしていて、中村さんは大きなあくびをしていた。なにも変わらないいつもの教室。
ちらっと隣の彼女を見れば、じっと真剣に1枚のチラシを見つめていた。

「ケーキ?」
「あ、あぁ!うん!!」

まただ。また、昨日みたいな不自然な笑み。なにかを誤魔化しているよう。でも、見つめていたのは本当にケーキのチラシで、うっわ、クリスマスケーキ高っか。ここ美味しいもんな。

「おぉ~、生チョコおいしいそう」

写真だとすごく輝いて見えて、おいしそう。実際うまいんだけど、写真だと尚更。去年は親がインドに行っていて、クリスマスなんて特に何もしなかったから、今年は久しぶりに食べたいな。

「ちょっ、チョコの方がいいと思う!?」

生チョコケーキもいいけれど、パイも捨てがたい。うーんと脳内では女子高生のごとくフルーツが舞っていた俺に、美藍が聞いてきた。すごく真剣。必至だ。

「俺は……チョコの方が好きだけど」
「わかった!!」

答えれば、満足したようにチラシを綺麗に畳んでしまった。結局何がしたかったのかは分からない。最近、彼女は少し変だなぁと思いながらも、休み時間はそこで終了してしまった。
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