10月9日birthday
ープルプル…プルプル…
深い眠りの俺を呼び覚ます夜中に鳴り響く携帯の着信音…
…あぁ?だれだよ…こんな夜中に…
部屋の時計は11時30分。俺は半ば投げやりに着信を見る…そしてベットから慌てて飛び起きた。
「…大河!…」
俺が誰より待ち遠しいその名前…
なにかの間違いじゃないか…少し疑いながら俺は気持ちを落ち着かせて電話に出る。
「…もっ…もしもし…」
「…あっ…弾平くん?ごめんね、こんな遅くに…」
…大河だ!!
携帯から聞こえる声…それは紛れもなく大河の声…
「どうしたんだよ?こんな時間に…」
「…うん、だって…君の誕生日だから…」
「…そっか、そういえば…」
10月9日、それは俺の誕生日…大河のヤツ覚えててくれたんだ…
「そっちは何時なんだよ?」
「実は……今、イギリスじゃないんだよね!」
「……?」
「君の家の前!」
「!!」
俺は繋がったままの携帯を放り出すとベットから飛び起きた。走り出したい気持ちを落ち着かせ、音を立てない様に静かにゆっくりと階段を降りる…
玄関をそっと開けると………
「…大河…………」
そこには何度も会いたいと願った大河が…
「…やぁ、弾平くん!」
俺の眼に映る大河の優しい顔…俺の耳に聞こえる大河の優しい声…夢じゃない。確かに大河はそこにいる。
「大河!!」
俺は夢中で駆け寄りぎゅっ…と抱き付いた…
「…弾平くん…」
大河も俺を優しく抱き締め、髪を撫でる……
「会いたかった…バカ…」
「ふふっ…弾平くん…僕も会いたかったよ……」
俺達は家から少し離れたバス停にあるベンチに並んで座る。
「いつこっちに来たんだよ。」
「ついさっきなんだ!…もう少し早く来るつもりだったけど、色々忙しくて…でも君の誕生日に間に合って良かった!」
「…聞きたくないけど…いつ帰るんだよ……」
「実は…明日の朝7時の飛行機。」
「えー……なんだよ…いつもあっという間に帰りやがって…」
「ごめんね、弾平くん…」
俺は少しだけ拗ねた顔…
大河はいつもそうだ。いつも忙しくて…帰国しても俺と居られるのなんてほんのちょっと。仕方ないと解っていても俺は寂しく思ったりして…
「だから…これから二人でパーティーしない?」
「…え?」
「だって…朝の7時までまだまだ時間はたっぷりあるよ!弾平くん!」
「する!!やったぁ!!」
「ふふっ…良かった!笑ってくれて…」
大河は俺の笑顔に微笑むと、言葉を続ける…
「…ねぇ、弾平くん…」
「なんだ?」
「覚えておいて…僕はいつも弾平くんの側にいれる訳じゃないけど、いつもいつも弾平くんの事を考えてるよ…」
「…大河…」
「僕の心はいつも弾平くんと一緒!…だから僕の事ずっと好きでいてね…」
「…うん。俺も…離れてても大河の事、すごい好きだから…」
「…ありがとう。弾平くん…」
大河の優しい笑顔…
「…あ…」
大河が腕時計を見る。
「…12時だ…弾平くん、誕生日おめでとう…」
大河は優しく微笑み、俺に軽くキスをした。
「さぁ、行こう…弾平くん!時間がもったいないよ!」
大河はベンチから立ち上がると俺に手を差し出す…俺はその手をぎゅっと握る。
「うん!」
俺は大河と手を繋いで歩き出す…
「今日は車じゃないんだけど、僕の家まで歩ける?」
「あったり前だろ!」
…その方が大河とずっと手を繋いでいられるし。
大河との時間に落ち着きを取り戻した俺は、ふと自分の格好に気が付く…
「…あ!俺…パジャマだ…」
「…ふふっ…それも可愛くていいじゃない。」
「…そうか?」
「ねぇ、弾平くん…そのパジャマ…僕にくれない?」
「はぁ?なっ…何言ってんだよ!」
「だって、そのパジャマ…すっごく弾平くんの匂いがするんだもん…」
「…お前なぁ…」
「ねぇ…ダメ?」
「……別に…いいけどよ……」
「ありがとう。大事にイギリスに持って行くよ。」
…まったく大河のヤツ…
大河は少し照れてる俺を見てクスッと小さく笑った。
そして…俺の耳元でそっと囁く…
「…弾平くん…そのパジャマ脱いじゃうんだからね…解る?」
「……まさか…」
「…久し振りに弾平くんと過ごすんだから…いいよね?」
「そんな急に…こっ…心の準備が…」
「大丈夫!優しくするから…いいでしょ?」
「………うん。」
俺は大河の甘い言葉に急に恥ずかしくなって下を向く…大河はそんな俺を見て微笑むと俺の手を強く握った。
「…弾平くん大好き!」
「…俺も!」
大河の笑顔…俺にとって何よりの嬉しい誕生日プレゼント!
*弾平ちゃんBirthday記念です。急に思いついて書いたので文章も拙いですが、どーしても今日中に弾平ちゃんと大河様を会わせてあげたくて…その点ではかなりの満足感♪
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