耳たぶ
ここは荒崎小学校のグランド。
1日の授業が終わった放課後…グランドの大半を占領しながらまるで格闘技の様な荒々しい練習をしているのは…いつもの荒崎闘球部のゴツい面々。
そしてそこに全速力で走り込む俺…
「すっ…すいませんっ!遅れました!!」
今日は放課後に委員会の集まりがある日。
県内有数の荒れに荒れてる荒崎小だが…小学校である事に変わりはない。だから委員会があったり…テストがあったり…一応ごく普通の小学校の活動みたいな事もしている。まぁ…荒崎の事だから真面目に出るヤツなんてほんの僅かでほとんどのヤツはサボってるけどな…俺達を何とかしようと一生懸命な校長には申し訳ねーが……それが当たり前の荒崎だ。
俺ははっきり言って部活には絶対絶対絶対遅れたくない!だからもちろんサボるつもりだった。でも…部活に行こうとこっそり教室を抜け出す時に担任に見つかってしまって……
しかも担任のヤツ…「委員会に行かないなら部活は暫く禁止にするからな!」…なんて脅しやがって!部活が禁止…それは困る!かなり困る!部活に行けないなんて…絶対嫌だ!…だから仕方なく担任に言われた通りに委員会なんて面倒なもんに出ちまって…
委員会の集まりも部活が始まるまでには終わる予定だった。なのに話し合いやら担任への報告やら色々雑務が多くて…気付いたらあっという間にこんな時間!…チンタラしやがって…もう部活が始まってるじゃねーかっ!!…ヤバイ!早く行かねーと!!
俺がどうしてこれほどまでに部活に遅刻したくないかというと…それは決して俺が真面目だからではない。そもそも委員会なんて面倒なもの最初からサボろうと思っていたぐらいだからな!
…その理由…それは……陸王さんに怒られたくないから!
陸王さんは俺の所属する闘球部の主将だ。
強くて逞しくてめちゃくちゃかっこよくて!しかも優しくて仲間思いで…とにかく男としてパーフェクト!俺が思うにこれ以上の男はいない!
技術的にも精神的にも荒崎闘球部の要であり絶対的存在…俺の憧れの主将だ。
陸王さんに怒られたり嫌われたりする事だけは絶対に避けたい!だから遅刻して怒られるなんて…絶対嫌なんだ!
面倒な委員会が終った俺は廊下を走るなというと担任のうるさい声も無視して全力で走り…慌ててグランドに滑り込んだ。
息を切らして闘球部の練習場所に駆け付けた俺を待っていたのは俺の尊敬する大好きな陸王さん……じゃなく仲間の滝!
「バーカ白川!おせーんだよ!」
「委員会が長引いたんだから仕方ねぇだろ?!」
「ははっ!なにお前…委員会とか真面目に出てんの?バッカじゃねー!」
「なんだと?!お前がサボりすぎなんだよっ!」
「うるせーなぁ!俺の事言うんじゃねーよ!!」
「はぁっ?!…お前こそいちいちうるせーんだよ!」
…なんだよ!滝のヤツ…遅刻したのは俺のせいじゃねーっての!
滝は荒崎闘球部のチームメイト。コイツは何かと言うと俺に絡んできて…
俺は正直言ってコイツの事が嫌いじゃない。思いがけず助けてくれたり怪我の手当てをしてくれたり…優しいところもかなりある。でも滝の口の悪さは酷いもんで…こう嫌みな事ばかり言われるとついつい腹もたってしまう。売り言葉に買い言葉…口を開けば滝とはいつもケンカばっかり!でもそんな優しいところもあるヤツだから…ケンカしながらもいい仲間って感じだ。
他の荒崎闘球部のメンバーはというと……逆巻兄弟…角田…どいつもこいつもゴツい…かなりゴツい。本当にうざったくて面倒なほどゴツゴツなヤツラばかりなのだ。そんなヤツラに比べて俺は細身でスマート…賢くて繊細!自分で言うのも何だがそんなゴツい荒崎の面々その中で俺は唯一マトモだと思う。
荒崎の練習はとにかく激しい。殴る…蹴る…ブッ飛ばされる…ほとんどケンカみたいなもんだ。荒崎闘球部で一番小柄な俺は標的にされやすいのかいつもボッコボコにされちまう…特に逆巻兄弟なんていいように俺を痛め付けやがって…本当にかなりムカツクけどな!!
でも…俺にはそれぐらい大した事はないのだ。何故ならこの闘球部には俺の大好きな大好きな愛しの陸王さんがいるから…
だからどんなに痛め付けられようともボコられようとも…俺はかなり幸せ…
俺は陸王さんの傍にいられればそれだけで満足なんだ。
「あっ!そーだっ!!」
俺との言い合いにムッとしていた滝が急にニコッと笑う…
「…なっなんだよ!急に笑うんじゃねーよ!!気持ちわりぃだろっ!!」
「ははっ…まぁそー言うなって!」
その妙な笑顔に動揺する俺…
滝はそんな俺にスーっと近づいてそっと耳打ち…
「…お前ラッキーだな〜…陸王さんまだ来てないぞ…」
「マジっ?!」
滝の言葉に周りをそっと見渡すと…いるのは逆巻兄弟に角田…三沢…そして滝。本当だ…確かに陸王さんはいない…
…あ〜!!俺はなんてラッキーなんだ!まだ陸王さんが来ていないなんて!!…良かった…本当に良かった!
俺は陸王さんに遅刻した事がバレなくてホッと一安心…
俺がめちゃくちゃ憧れている陸王さん。
本音を言えば…それは憧れ以上の感情だったりして……憧れ以上というのは…つまり……「男として好き」…という事…
そうなんだ…俺は陸王さんの事が本気で好きで好きで仕方ないんだよな…
でも…俺は告白したいとか恋人同士になりたいと思っている訳じゃない…ってかそんなの絶対無理だし!俺になんて振り向いてくれる訳ねーし!!
陸王さんに告白して付き合って…ラブラブになってデートして…あんな事したりこんな事したり……わわわわ〜…!!考えただけで恥ずかしい!テレる!……そんな大それた事絶対無理!出来ねーよ!!
俺はただ傍にいたいだけなんだ。チームのメンバーとして荒崎の勝利に貢献したり…陸王さんの役に立ったり…
でも…もちろん仲間としてだけじゃなく陸王さんに頼られてみたい…陸王さんに俺を見て欲しい…そして…愛されたい…なんて……あ…俺の本音はやっぱり恋人同士になりてーのかもなぁ〜…
俺がぼんやり陸王さんの事を考えていると…滝が俺の肩をポンっと叩いた。
「とにかく早く部室行って着替えて来いって!陸王さん…いつ来るかわかんねーぞぉ〜…」
「あぁ!そうだな!行ってくる!」
俺はグランドに置いた荷物を持ち直すと部室に向かって慌てて走り出す…
すると…今まで黙っていた逆巻拳が俺に慌てて声を掛けてきた。
「…お…おいっ!白川!ちょっと待てっ!」
「ん?…なんだ?」
「今…陸王さんが…ん…むぐぅ……」
言いかけた拳の口をぎゅっと塞いだ滝…
滝は拳の耳元で何やらそっと囁いている…途端に黙り混む拳…
俺の目の前で繰り広げられる滝と拳の何やら不穏な動き……思わず俺の眉間にもシワが寄る…
滝は妙な笑顔でやたら明るく俺に声をかけた。
「なっ…なんでもねーよ!ほら…早く行けよ!陸王さん来ちまうぜ!」
「…何だよ…なんかおかしくねーか?」
「なんでもねえって!!」
「…で…でも…」
「陸王さんが来たらマズイんじゃねーのか?大会前でピリピリしてっからな!もし遅刻したのバレたらお前……」
滝の恐ろしい一言に俺の脳裏に陸王さんが怒ってそっぽを向く姿が浮かんで…
「…う…うん!そうだな!」
「早く行けよっ!」
「滝!ありがとなっ!!」
周りのヤツラの顔も若干ひきつっているみたいだが……滝の言葉に完全に動揺した俺はそんな周りの怪しい様子も全く気にならない…
滝に礼まで言って急いで部室に向かって再び走り出す…
俺が走り去ったグランドの片隅では滝を中心に顔を寄せあいヒソヒソ…
「拳!このバカっ!!余計な事言うんじゃねーよ!!」
「だっ…だって滝…今陸王さん部室で着替えてんじゃねーかよ…今行ったらヤバイ…って白川に教えてやらねーと…」
「はぁぁ〜…拳…お前って本当にニブイな……」
「……え?…」
「そんな事白川に教えなくていーんだよ!!」
「どーしてだよ?………」
「お前…白川の陸王さんへの気持ち…わかってんだろ?」
「………あ…」
「……部室で陸王さんが一人で着替えてる……だーかーらー!白川を行かせたんじゃねぇか…」
……あ…なるほど……
みんな白川の陸王さんへの深く重い愛情を知っている…荒崎のゴツい面々は滝のこの一言にえらく納得…
「へっ…白川のヤツ……面白い事になるといいがな…」
意地悪げにニヤニヤ笑っている滝の悪意溢れる悪〜い顔…
……滝…すげーこえぇんだけど…
滝のその表情にみんな一気に青ざめる…滝に負けず劣らずの悪人顔の逆巻兄弟ですらその恐ろしさを感じずにいられない…
荒崎の面々は何も知らずに部室に向かって全力で走っている白川の後ろ姿を何も言えずにただ見送る…
…し…白川……無事を祈る…
…各々滝の計り知れない恐ろしさを痛感しながらこれからの成り行きを案じた…
「はぁっ…はぁっ…」
俺は息を切らしながらようやく部室の前に辿り着く。
着替えさえ済ませてしまえばもう大丈夫…俺が少し遅れた事なんてわからない!…陸王さんが来るまでに急いで着替えなくては!!
俺は乱れた息を整えながら力任せにドアを開いた。
ー…バターーーンッッ!!!!!
激しく開けたドア…俺の目に映ったのは……………………上半身裸の……陸王さん……
「り……り……り……」
驚きのあまり俺は言葉が出ない…
茫然と入口に佇む俺に気付いた陸王さん…
「…ん?…白川か…」
先に下を着替えたのか陸王さんはかろうじてジーンズは履いているものの上半身は裸…何も着ていない…まさに丸裸…
しっかりとした広い肩幅…ぶ厚い胸板…筋肉質な太い腕……陸王さんはその鍛え抜かれた美しく強い肉体を惜しげもなく晒している…
「り、く、おう、さん…こ、ここで、なに、して?…」
「…おかしなヤツだな…見てわかんだろ?着替えてんだよ…」
動揺して言葉がおかしくなっている俺…陸王さんはそんな俺をよそにいつも通り平然とした顔…
俺の目の前に裸の陸王さん…俺の目に映るのは陸王さんの裸…陸王さんの裸……陸王さん…裸なんだ………
その現実を再認識した俺の心臓がドキッッッ!!
一気にドキドキドキドキ……その高鳴りがあまりにも酷くてすごくて…俺の息が苦しくなって喉に何かが詰まったみたいに切なくなって……顔が燃えるように熱く赤くなっていくのが自分でもよくわかる…
そのドキドキに俺の全てを支配されてしまった俺は思わず顔を下に向けて視線を逸らせる…
とてもじゃないが陸王さんの裸を直視するなんて俺には出来ない!…絶対に出来ないっっ!!
もちろん俺だって陸王さんの裸を初めて見た訳じゃない。好きな人の全てを見たい…そんな当たり前の思考で…着替える時についチラッ…と見てしまった事もある。でも…それはもちろん部活の時のみんながいる時で…俺と陸王さんの周りには誰かがいて賑やかで陸王さんは俺の事なんて見てなくて…こんな二人っきりなんて……
陸王さんは俺達の主将であり中心的存在の人だ。陸王さんの周りにはいつも誰かがいて…そもそも陸王さんと二人っきりになれるなんてそうそうない事なんだ。
誰もいない静かな部室で陸王さんと二人っきり…しかも 陸王さんは俺の前に完璧な肉体を晒している…
この俺には刺激が強すぎる何とも言えない有り得ない状況…
俺はとにかく激しく動揺して…俺の心臓は相変わらずドキドキドキドキ……収まるどころかさっきより一層高鳴ってしまっている…
「何だ白川は今来たのか?遅せーじゃねーか…」
陸王さんは少し怪訝そうな顔で茫然と立ち尽くす俺に声を掛けてくる…
その一言に俺はハッ!……
…ヤバイ!陸王さんにバレてしまった!!…でも違うんだ!俺が遅れたのはサボってたからじゃない!自分が遅刻したなら怒られても仕方ねーが…この遅刻ははっきり言って俺のせいじゃない!!その事だけは陸王さんにちゃんと言いたい!!
陸王さんは俺が怠けて遅刻したと思っている…誤解を解こうと口を開くが…
「…す、す、す、すいま、せん、いいん、かい、が、でて、ようじが、おそく、なって、…」
俺の胸の高鳴りがとにかく苦しくて切なくて息が詰まりそうで…言葉がまともに出てこない…
「ん?どうした?何言ってんのかわかんねーぜ!」
変わらない陸王さんの怪訝そうな顔…俺はより一層慌ててしまう…
「あ、あの、そ、、その、、、、、、」
何とかまともに喋ろうと思えば思うほど俺の口は全く動かない…
俺の目の前に晒されている陸王さんの裸とそれに刺激されてる俺の激しい動揺…俺の思考は完全停止…
…どうしよう…どうしよう…どうしよう!!!
そんな事しか考えられずに俺はオロオロ…
陸王さんはそんな俺をジッと見つめていたが……不意にニヤッと笑って呟く…
「…白川?なんか様子がおかしいと思ったら……ふーん……そっか…」
めちゃくちゃ勘のいい陸王さん…も…もしかして俺の心内に気が付いてしまったのか?!…
真っ赤な顔をしてオロオロする俺を見ながらニヤニヤと笑う陸王さん…
「…なぁ白川…お前…俺の裸見て赤くなってんの?」
「…そ、そん、なっ!!ち、ちがいま、す、」
「そんなに真っ赤な顔して目ぇ潤ませちまってんのに何が違うんだよ…俺の裸見てんだろ?」
「…違っ………」
「正直に言えって…」
陸王さんは執拗に俺に問い詰めてくる…
「陸王さんが大好き」…という俺のリアルな心の内を陸王さん本人に見抜かれ晒されたような感じがして俺はもうドギマギ…
そんな俺を目つめる陸王さんの鋭い眼差し…その視線があまりにも俺をしっかり捕らえていて俺の胸は苦しくて苦しくて…
「言葉にならねーぐらい俺の事好きなのか?」
「あっ…あ…のっ……」
「…可愛いなぁお前…女みてーに顔真っ赤にして汗かいて……」
「い…いやっ…そっ…その……」
「白川…もっと俺の傍来いよ…」
「ええっ?!!…そ…そんな…」
…り…陸王さんが傍に来いって?!!
陸王さんの言葉に俺はオロオロ…
もしかして…本当に陸王さんへの恋心を見抜かれてしまったのかもしれない!!そう思う俺の動揺は半端なもんじゃない。
何も出来ずにただひたすら立ち尽くしてオロオロソワソワ…
「ふーん…何だよ…お前が来ねーならこっちから行くぜ…」
陸王さんは意地悪そうに呟くと立ち尽くす俺に少しずつ近付いてくる…
俺の意識は研ぎ澄まされ…近付いてくる陸王さんの体温すらはっきりと感じられる…陸王さんはあっという間に俺のすぐ目の前に……
陸王さんの大きな手がスーっと伸びて俺の顎に…陸王さんの指の感触に俺は思わずぎゅっと首をすくめる…
陸王さんはそんな俺の顎にかけた指に力を入れてぐいっ…と自分の方に向かせる…
俺のほんの目と鼻の先には陸王さんのめちゃくちゃカッコいい男っぽい顔…一気に近付く俺と陸王さんの距離…
陸王さんは舐めるような目で俺を熱く見つめている…
……わわわ…り…陸王…さん……すげーカッコいい…
「…んー?どうした?顔真っ赤にして…」
「…り…りく…おーさ…ん………」
「…お前って本当に可愛いなぁ…色も白くて目も大きくて……マジで女みてぇだぜ……」
陸王さんの大きな手が俺の頬を優しく撫で…その手はそのまま俺の耳へと……
…ぎゅっ……
俺の耳に感じた指先の繊細な感触…
俺の耳たぶは陸王さんにそっと柔らかく摘ままれて……陸王さんはそのままコリコリと擦り合わせるように揉みしだく…
「…ああっ………」
俺の耳元の陸王さんの熱く甘い囁きと熱い指の動き…自然と俺の口から甘い声が漏れ出てしまう…
時々ギューッと強く摘まみながら執拗に俺の耳たぶを攻め続ける陸王さん…
その刺激に俺の身体から次第に力が抜けフワフワ……つられて心もフワフワ…
「…んんっ…あっ…り…りく…おう……さぁん……」
「ん?…感じんのか?…ったく…可愛い声出しやがって…堪んねーぜ…」
「…なぁ白川…キス…してやろうか…?」
「……!!…なっ…」
「お前可愛いから…キスしてやるよ…」
「り…陸王さん…」
「目ぇ瞑れ…」
二人っきりの部室…俺のすぐ傍には裸の陸王さん…俺の大好きな大好きな愛しい陸王さん……キスを迫られている俺…断る理由なんて……なにもない。
俺は勇気を振り絞って目をギュッと瞑った…
そして次の瞬間…自分の耳たぶに感じた生温かい感触……俺の耳たぶは陸王さんの口の中…
陸王さんは俺の耳たぶを唇でしっかりくわえて舌先で転がす…強く…弱く…時に激しく吸い付きながら
俺の心をいいように弄ぶ陸王さん…
その熱く巧な舌使いに思わず俺の口から甘い声が漏れる…
「……んっ……くぅっ…ああっ…」
「んー?…気持ちいいのか?」
「り…陸王…さ…ん…んぁっ…」
「…くくっ…可愛い声してんなぁ…」
陸王さんは耳たぶを口に含みながらそっと囁く…
「なぁ…お前…俺の事好きか?」
その男っぽい甘い声とが俺の耳にじんじんと伝わり…身体中がゾワゾワと震えてくる…
身体の奥底がじんじんと疼いてしまって言葉が出ない…
俺は必死に小さく頷いた…
「……そっか…俺もお前嫌いじゃねーぜ……」
陸王さんはニヤッと笑ってそう言うと俺の耳たぶにますます強く吸い付いてくる…俺の耳たぶをなめ回す陸王さんの熱い熱い口の中…俺の身体まで攻めまるような舌の動き…
俺の口からはついついエロい声が…
「ふぁっ…ああんっ………」
「くくっ……いい声だぜ…可愛いなぁ…」
俺のその声を楽しむように陸王さんはニヤニヤと笑いながら口に含んだ耳たぶを弄ぶ……
…カリッ……
陸王さんが耳たぶを甘く噛むと俺の身体は…ビクッ!…………
「はぁっ!……あっ……」
「…なんだよ…噛まれるといいのか?」
「…ち…ちがっ……んんっ…」
「違わねーだろ?……そっか…噛まれてーのかよ…」
陸王さんは嬉しそうに俺の耳たぶに歯を立てる…
「っ…やぁっ……んぁっ…」
「感じんのか?エロい声出して…ったく…お前は本当に女みてーだなぁ〜…」
二人きりの部室で上半身裸の陸王さんに見つめられながら耳を舐められ甘く噛まれ…俺はもう……
陸王さんからの容赦ない刺激に俺の身体と心はもう限界……腰がガクガク…足が震えて立っていられない。俺はそのまま床に座りこんだ…
「んー?そろそろ限界か?……」
…陸王さんはようやくその熱を持った耳たぶを解放する…身体の力が抜けた俺はその場に座り込んでしまう……
「…お前がもっと闘球上手くなったらキスしてやるよ……その先も…な…早く着替えて来いよ。」
陸王は練習着を着るとニヤリと笑い、白川の肩をぽんっと叩くと部室を後にした…
ーキスより刺激的だったかもな…しかし、あいつ色っぽい声出しやがって……ちょっと…ヤバかったな…
本当に二人きりだったらどうなっていたかわからない…陸王自身も多少の体の火照りを感じつつ、メンバーの元に向かった。
グランドの片隅では、荒崎の面々が事の成り行きを案じつつ自主トレをしていた。
「おー!遅くなってわりぃな!」
陸王はあっけらかんと何事もなかったように明るくメンバーの輪の中に入っていく。
「陸王さん、白川行きませんでしたか?」
「お、滝か…あぁ来たぜ。今 “休・憩・中” だ。」
ーふーん…
陸王の意味深な一言に、メンバー全員何かがあった事を一瞬にして悟った…
「…白川はその内来るだろ、さあ練習始めるぞ!」
「…お…おお!!」
「…長い休憩になりそうだな…」
滝は一言呟くと自分の予想通りになった事実に満足し、練習を再開した。
*いいですね〜♪白川は…本当に可愛い男です。敢えて書きませんでしたが、白川はその後、部室でどれだけ腑抜けになっていたんでしょうね〜…
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