キャプテンの重み
ここは球川中学校のグラウンド。
長かった1日の授業も終わって今は放課後…これから球川中学闘球部の厳しい練習が始まろうとしている。

グラウンドの片隅にある闘球部の部室では俺と四天王が集まって練習の準備を始めていた。
俺と火浦、速水、風見、土方の四天王は中学入学後ももちろん全員闘球部に入部し…2年の時は2軍…そして3年に進級した後は1軍として活躍していた。
小学の時と同じく主将は俺が務め四天王がその周りを固める…まさに球小の再来だ。みな小学の頃より身体的にも精神的にもかなり大きく成長し…中学最後の一年をより真剣に闘球に向き合っている。
そして闘球への想いを高校へと繋げるべく頑張っていた。


「…キャプテン!聞きましたか?球小が全国大会出場を決めたって!」
「あぁ…昨日の夜に尾崎から連絡貰ったよ。あいつら頑張ったよな〜本当に良かったぜ!」
部室に入るなり興奮した様に話す火浦…その気持ちはよくわかる。俺だって後輩達の活躍に飛び上がりたいほど嬉しいからな!

俺達の後輩の尾崎率いる球川小学校闘球部が今年全国大会への出場を決めた。予選会は過去に試合をした事のある五十嵐率いる聖アローズやパワーショットの陸王率いる荒崎小とし烈な闘いを繰り広げたと聞く…
全国への道のりが遠く険しいという事は俺達が一番良くわかっている。あいつらの頑張りは相当なものだったのだろう…
後輩の頑張りに俺達は誰より喜び…誰より誇りに思っていた。


「何てったってあの弾平が今や球小のエースだもんな〜…」
「…エースって感じじゃねーよな!あいつは!」
「本当だよな!あんなめちゃくちゃなエースなんていねーよ!」
「くくっ…だよな!」
土方と風見の会話に、弾平をよく知る俺達は思わず大笑い…

弾平は俺達が6年の時に入学し、球川小闘球部に入部したヤツだ。
俺達が朝練をしていた闘球寺で出会った弾平と俺達…その時弾平が投げたボールにドッジプレーヤーとしての素質を感じた俺は迷う事なく闘球部への入部を進めたんだ。

しかし…入部してからが大変で…
弾平はとにかくワガママで意地っ張りで頑固で…俺達の言うことなんて一つも聞きやしないめちゃくちゃなヤツだった。いつもトラブルを起こして俺達を巻き込んで…俺達はどれだけ弾平に振り回され翻弄されてきた事か…
いつもいつも弾平の行くところにはトラブル…そしてそれに否応なしに付き合わされる俺達…大河率いる聖アローズとの試合なんてまさしくそのパターン。…俺達はどれだけ迷惑を掛けられてきたか…

弾平はそんな大変なヤツだったが…俺達以上に闘球に対する情熱を持っていた。溢れる闘志と闘球が大好きだという熱い思い… その弾平の熱い思いに突き動かされ、俺達は小学最後の一年を弾平と一緒に精一杯駆け抜けたんだ。

弾平は誰より闘球が好きで誰よりひたむきで一生懸命で…その溢れる闘志に俺達はたくさんの事を教えられた。
弾平のお陰で今の俺達があると言っても過言じゃないが…そんな事を弾平言ったらきっと調子に乗ってますます手が付けられなくなる…だから絶対言わないけどな!

俺にとっても弾平は手のかかる弟みたいな存在だ。
無邪気でやたらと強気でそのくせ寂しがり屋の面倒なヤツ!でも俺はいつも弾平をほっておけなくて…
俺の主将としての一年はまさしく弾平に振り回された一年…でも俺も主将として弾平を精一杯受け止めた。最初は俺も主将としての自信がなかったが…弾平と向き合い接する内に少しずつ俺の中に自信と勇気がみなぎる様になっていって…
俺は弾平に主将として育てて貰っていたのかも…なんて少し思ったりする。
…とにかく俺が主将としてたくさんの経験を積めたのは弾平のお陰だ。

そして…そんな小さかった弾平が今では球小のエース。
俺があの時闘球寺で感じた弾平のエースとしての素質…それは間違いではなかった。もちろん、何もしなくてエースになれる訳じゃない。特に弾平は闘球は全くの素人…最初はキャッチングすら上手く出来なくて苦労していた。でも…弾平は諦めなかったんだ。練習を怠けたりいい加減な時もあったけれど…それでも弾平なりに必死に頑張ってきたんだと思う。

チームのエースという事は誰より勝ちに拘らなければならない。諦めてはいけない。…そして…誰より闘球が好きでなければならない。
めちゃくちゃでワガママでとんでもない弾平だが…エースに相応しいと俺は思う。

俺はとにかく後輩の活躍が嬉しくて仕方ない。俺と同じ気持ちなのか四天王の顔もほころぶ…
俺達が6年だった頃の弾平の事…チームの事…闘った試合の事…そんな懐かしい事が次々と思い出され…
その時どんなに辛かった事も悔しかった事も…今になってしまえば笑い話。俺達はそんな弾平との慌ただしかった日々に想いを寄せる…

そんな和やかな雰囲気の中、速水が俺に尋ねた。
「…なぁ三笠…俺ずっと疑問に思っていたんだけど…」
「…ん?…なんだ?」
「お前はどうして尾崎をキャプテンにしたんだ?俺は正直、勇一や勇二の方が向いてると思ったけどな…」
「…どうしてだ?」
「だって尾崎はお前とは正反対だろ?優しくて全然厳しくないし…お前みたいに怒らないだろ?」
「…悪かったな〜…優しくなくて厳しくて!」
俺は速水の正直な一言に苦笑い…

「…ははっ!ごめんごめん!つい…」
思わず本音が出てしまったのだろう…速水自身も苦笑いしながら慌てて口を押さえた。
まぁ速水がそう思うのも無理もない。確かに尾崎は主将としては俺と全然タイプが違う。正直俺も後継を決める時は色々悩んだんだがな…俺達が卒業した後の闘球部のメンバーの中で主将として有力だったのが尾崎と武田兄弟の3人だ。
武田兄弟の兄の勇一…こいつは真面目で一生懸命だがその分熱くなりすぎて時に暴走しがち…俺達がいた時もよく弾平とケンカしてたからな…
弟の勇二…同じ兄弟でも勇一とは全く違ってこいつはクール…でも逆に冷静過ぎて弾平を冷ややかに見ている事も…
それ以外のメンバーは主将を務めるにはまだまだ力不足だ。
まぁ…球川の場合指導力とか統率力とかがある…というよりは…あの弾平をどうにかできるか…ってところが大きなポイントなんだよな…
尾崎は優しくて穏やかな性格で怒る事なんて滅多にないヤツ…それ故チームの個性的な面々を統率出来ずに苦労していたみたいだが…


「どうしてって……とにかく尾崎がキャプテンに向いてると思ったからだよな……確かに技術的には勇一や勇二の方が上だ。でも、勇一は少し熱くなりすぎる所がある…火浦みたいにな!勇二は逆にクール過ぎるんだ。」
速水の疑問に答えた俺はチラッと火浦を見る。…その自覚がある火浦はバツが悪そうに照れ笑い…

「それにな…」
「…それに?……」
「何てったって…球小には弾平がいるからな!あのとんでもなくめちゃくちゃなヤツを受け入れられるぐらい懐が広くなければ球小闘球部のキャプテンは絶対に務まらん!」
これが俺が尾崎を主将にしたの一番の理由…
俺は腕を組み深く頷くとみんなが納得の表情。火浦も深く同感してるのだろう…一番大きく頷いた。

最初火浦は弾平を認めていなかった。火浦も弾平もどちらも筋金入りの負けず嫌いの頑固者…そんな二人が初めから仲良くやれる訳がない。こいつらは似た者同士なんだよな!この二人はとにかく対立していて…でも衝突を繰り返す内に互いを理解し認めあい…最高のチームメイトになっていった。火浦と弾平のダブルショットは球小闘球部の大きな武器…火浦と弾平コンビの活躍で勝利を掴めた試合もたくさんある。
今思えば火浦は最初から弾平の素質を認めていた…だからこそ弾平を厳しく指導したのかも知れないな…
弾平は火浦のお陰で今のエースの立場にまで登りつめられた…火浦のお陰で闘球を本気で好きになれたのだと俺は思っている。


「……確かに……尾崎のヤツ…俺達みたいにかなり弾平に苦労してるだろうな〜」
「ははっ!…まぁな!相当苦労してるみたいだぜ!」
「……やっぱり…」
四天王は顔を見合せ苦笑い…

「でもな…弾平がいるからこそ面白い…なんて言ってるんだ。あのめちゃくちゃな弾平をそう思える男なんだよ、尾崎は!…尾崎なら弾平を受け止められる…そう思ったからこそ俺は尾崎をキャプテンにしたんだ。」
俺のこの言葉にみんなも深く頷く…

「確かに大変だと思うぞ。何てったってあの弾平だからな!…だから尾崎は時々俺に連絡してくるんだ。チームの事…弾平の事…主将として自分はどうしたらいいか…って相談される事もあるしな。苦労はしてるが…あいつも色々経験して段々とキャプテンらしくなってきた感じだぜ!」

俺達は自分達が6年だった頃を思い出していた。
めちゃくちゃな弾平にとにかく振り回されて対立したり…理解しあったり…時にやっかいな事に巻き込まれたり…弾平にどれだけ迷惑を掛けられたか…
でも…とにかく飽きる事のない面白く充実した1年だった。俺達の闘球部としての6年間でこれほど闘球を楽しいと思えた一年はない。
弾平の小さな身体にみなぎる溢れんばかりのあの熱い闘志は、俺や四天王に理屈だけでは得られない沢山の事を教えてくれた。
俺達のいた球小は闘球の名門だ。
もし弾平と出会わなかったら、ただ強いだけのエリートチームで終ったかも知れない。大河率いる聖アローズ学院ともあそこまでの死闘はなかっただろう…
弾平に弾平と向き合うという事は俺達にとって闘球と向き合うという事だった。
弾平と過ごした長いようで短かった1年…俺達はこの1年が自分達の闘球の礎となる様なそんな1年であったと感じていた。


「そうだ!尾崎がまた練習を見て貰いたいって言ってるんだ。明日の土曜、こっちは練習休みだろ?急だけど…明日行けないか?」
俺の言葉に四天王の顔がぱあっ…と明るくなる。

「…もちろん行きます!!なぁみんな!」
「いいぜ!!久し振りに練習見てやるかぁ〜」
「弾平にも会えるし…面白そうだな!!」
「仕方ねぇなぁ〜行ってやるか!!」
笑顔で口々に承諾した四天王…
照れくささからかみんな口や表情では冷静さを装っているが…球川小に行きたくて内心ウズウズしているのがよくわかる。

…みんな…何だかんだ言って弾平に会いたいんだよな…
俺だってそうだ。
あんなに振り回されて迷惑掛けられて来たのに…全く俺達はお人好しだぜ…俺もそんな自分達が少し可笑しくて…


「…じゃあ、明日みんなで行くって尾崎に連絡しておくな!」
「はいっ!!」

一番嬉しそうなのは…火浦!きっと弾平に会えるのが本当に楽しみなんだろう。
「よ〜し!俺が久しぶりに弾平をしごいてやるかぁ!一年の時は散々練習相手してやったからな!」
「火浦ぁ〜また前みたいに弾平にムキになんなよ!お前って本当に弾平相手だと大人げねーからな〜…」
「わ…わかってるさ!!…おっ…俺はムキになんてならねーけど、弾平のヤツがあんなだから…俺は別にっ!」
「ははっ!…火浦ぁ、お前もうムキになってんぞ!今からそんなで大丈夫か?」
「……ううっ…」
風見に突っ込まれて言葉に詰まる火浦…相変わらずの火浦に俺達は大笑いした。


明日は弾平達に会える…
また何を教えてやろうか…そして俺達も何を教わってこようか…
俺と四天王の胸にめちゃくちゃな弾平の溢れる笑顔が浮かぶ…


「…さぁ!とりあえず今は俺達も練習だ!大会も近いからな!」
「おう!!」
俺の言葉に全員立ち上がる。
気合いを入れ直すとグラウンドへと駆け出した…


次の日……
球小のグラウンドでは弾平達闘球部員が練習を始めようとしていた。

「さぁ〜キャプテン!早く試合の練習やろうぜっ!!!」
「弾平くん…えらく張り切ってるね!」
「…ったりめーだぜ!なんてったって全国大会だもんな!!」

早く試合形式の練習をやりたくてウズウズしている弾平…そんな様子を見ていた勇一がはやる弾平をなだめる。
「…弾平少し落ち着けよ!まずランニングからだろっ!」

「ええ〜…おいら早く試合の練習やりてーよ…ランニングなんてつまんないっ!」
「またお前はワガママ言いやがって〜…ダメっ!まずはランニングから!次は柔軟して…とにかく試合形式の練習は基礎練が終ってからだ!そうだろ?キャプテン!」
「そ…そうだね…弾平くんわかったかい?基礎は大切だからね!」
「ちぇっ…つまんねーの!勇一さんのケチっ!バカっ!」
「なっ…なんだとぉ〜!ケチってなんだよっ!バカはお前だろっ?!」
「バカは勇一さんだっ!」
「弾平てめぇ〜…ふざけんな!もう一回言ってみろっ!!」

「あ〜もう!勇一くんも弾平くんも…ケンカはダメだよっ!」
いつもの調子の勇一と弾平に尾崎主将は困り顔…
周りのメンバーはいつもの事だ…と苦笑い。


「…そうだ!みんな…実は今日ね…」
尾崎主将がそう言いかけたその時!
背後からうねりをあげた一球のボールが弾平の胸目掛けて勢いよく飛んできた!!
とっさに捕球の姿勢をとる弾平…

ー…バシィィィーーン!!

ボールは勢いを失う事なく一直線に弾平の胸に飛び込んで来る!
少し後退りながらも弾平はなんとかボールをキャッチしたが…弾平の腕の中で激しいうねりをあげるボール…
ー…っ…こ…このボール…もしかしてっ!!

…弾平がふっと顔を上げると………そこにいたのは懐かしい顔ぶれ…

「よぉ、弾平元気だったか?」
「…やっぱりそうだ!このボール!!キャプテン!火浦さん!速水さん!風見さん!土方さん!」
弾平は俺達に駆け寄ると懐かしい名前を次々に呼び…迷わず火浦に飛び付いた。

「うわ〜!火浦さ〜ん!!」
「うわっっ…バカ!よ…よせ!!」
弾平は勢いよく火浦に抱き付いて頬擦りしている。
火浦も迷惑そうに弾平を引き離そうとしているものの…その顔はなんとなく嬉しそうだ。
俺達は相変わらずの火浦と弾平に呆れながらも微笑ましい…

尾崎も俺達に急いで駆け寄る。
「三笠さん!みなさん!今日は急にすみません!」
「よぉ、尾崎…今日はよろしくな!」
「こっちこそ忙しい中すいません!今日はありがとうございます!よろしくお願いします!」
「ははっ…お前は相変わらず礼儀正しいなぁ〜」
俺にペコッと頭を下げたいつも通りの真面目な尾崎…俺はそんな尾崎の肩をぽんっと叩く。

一方…火浦と弾平はずっとじゃれ合っていて…
「火浦さん火浦さん火浦さん火浦さん〜っ!!」
「…こらっ!弾平っ!少し落ち着けって!」
ベタベタと火浦にくっつく弾平…本当にこいつらは仲がいい…
こんな二人を見ているとなんだか昔に戻ったみたいで…俺はすごく懐かしくて嬉しくなってしまう…


「火浦さん!今日の練習付き合ってくれんのか!?」
「…あぁ、お前がどのくらい上手くなったか見てやるよ!」
「…やったぁぁーーー!!」
俄然張り切る弾平。
見ると勇一や勇二も憧れの四天王に練習を見て貰えるとあって目が一段と輝いている。
…みんないい顔してるな…
そのキラキラとした顔が俺は堪らなく嬉しかった。

尾崎が悩みながら苦しみながら作り上げてきたこの球川小闘球部…
主将としてチームをまとめていく事がどれ程大変な事であるかは俺が一番よくわかる。尾崎の主将としての喜びも苦しみも…
でも今は全国へ上がれるぐらいの力を持つチームへと成長してくれた。俺は自分達が一生懸命作り上げ残していったこのチームが俺達の意思を引き継いでくれている事が何より嬉しい…
今のこの球川小闘球部が輝いているという事は…つまり俺達が一生懸命頑張ってきた事が何一つ無駄ではなかったという証だから…


「三笠さん、僕達まだランニングが終ってなくて…とりあえず走ってくるのでみなさんは部室で準備して下さい!」
「あぁ…そうさせて貰うな!」

「キャプテン!ランニング早く終らせて火浦さん達に練習見て貰おうぜ!」
さっきまで文句を言っていた弾平も上機嫌だ。

「…よーし!みんな、ランニング!気合い入れて行くよ!」
「おうっ!!」
尾崎の穏やかな優しい呼び掛けに、みんな一斉に駆け出した…



《一日の終わりに…side三笠×尾崎》

「三笠さん、今日はありがとうございました。弾平くんも僕達も色々学べました。」
「…いや、俺達も楽しかった!こんなに闘球を楽しいと思ったのは久しぶりだぜ。…尾崎…いいチームになってきたな…みんな真剣に闘球に向き合って…お前の苦労が実ってきたな!」
「…ぼっ…僕はまだまだです。三笠さん達が残してくれたこの闘球部を守って行けるように頑張っていますが…まだ三笠さんみたいにはなれてません…完全に僕の力不足です…」
「ははっ…難しく考えるな!俺は今日改めてお前をキャプテンにして良かったと思ったぜ!」
「……え?…」

「なぁ尾崎…お前は俺になる必要はないし俺を真似る必要もない。お前はお前だ…お前らしいチームを作っていけばいいんだ。」
「…み…三笠さん……」
「…尾崎…頑張れよ!俺も球中闘球部キャプテンとして頑張るぜ!」
「は…はい!!」
少し落ち込んでいた尾崎も俺の言葉にいつもの笑顔になった。

「ぜひまた来て下さい!弾平くんもみんなも喜びます!」
「…あぁ、また来るな!」
俺はそう言うと四天王と共に球小を後にした…


《一日の終わりに…side火浦×弾平》

「火浦さんっ!今日はあんがとよ!」
「こっちも久しぶりに楽しかったぜ!…弾平…お前上手くなったな!」
「へっへー…まあね!おいらも成長してるからね〜」
「…へっ…よく言うぜ!……」
「あー火浦さん!またおいらの事バカにしてー!」
「バカになんてしてねぇさ……なぁ弾平…俺さ…今日改めてお前の闘志を感じたぜ…」
「…火浦さん…」
「……弾平…お前が中学に上がる頃には俺はもう高校だ。俺とお前は学生のうちは同じチームになる事は絶対ない。」
「……知ってるよ…」
弾平は少し悲しそうな顔を見せる…

「…そんな落ち込むなっ!…俺は…また必ずお前と一緒に闘える日が来るって信じてるからな!」
「…火浦さん……!」
「それまでにもっともっと闘球が上手くなってねーと許さねーからな!」
「……もちろんだぜ!火浦さんもなっ!」
「あったりめーだ!バカっ!約束だからな!」
火浦が差し出した右手を弾平はしっかり握り締める…互いに顔を見合せ笑いあった。

「また来てくれよな!火浦さん!」
「あぁ…必ず来てやるさ…またな!弾平!」
火浦は弾平に軽く手を挙げると俺達と共に球小を後にした…




*中学生の三笠くんと四天王を書きたくて♪でも…最終的には三笠×尾崎と火浦×弾平の師弟愛みたいな感じになりました〜やはり三笠くんと尾崎くんはノン○です!
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