01
「女の子を拾った」と言う三角と密が持ち帰った革製のトランクケースを取り囲むのは、リビングにいた紬、東、いづみ。そして持ち帰った張本人達。
東が物怖じせず重厚な金属の留め具を開けると、幼い少女が膝を抱え、人形のように収まっていた。
腰あたりまであるたっぷりとした髪はブロンドで、髪と同じ色をした長い睫毛。ふっくらとした小さめの唇は紅く、真っ白の陶器のような肌は作り物のような美しさで、正に西洋人形のようだった。
東の背中に隠れるように少女を覗き込むいづみ。
「い、生きてますよね…?」
「あたたかいし、呼吸もしてるよ。眠っているんだと思う」
「…あれ?トランクのポケットに何か入ってませんか?」
トランクの蓋部分にあるポケットに挟み込まれた封筒に気付いた紬が、少女を起こさないようにとそっと取り出す。
中には2つ折りになった紙と、上質な紙の二枚が入っていた。
2つ折りにされた紙には手書きで、
“この子を幸せにしてあげてください”
と日本語で書かれている。
もう一枚は、外国語で書かれていて誰も読むことはできなかった。
「すてられちゃったのかなぁ?」
「どうしましょう…とりあえず警察…?」
「本人から話を聞ければいいんだけど…」
「…起こす?」
「密、マシュマロじゃ起きないと思うよ」