「今日の放課後どっか行かへん?」
おはようもろくに交わさずに発せられた白石の言葉に首を傾げる。
「部活は?」
「今日休みになってん」
「え、そうなんや!行く!」
けど、どっかってどこだろうか。金ちゃんがいるならたこ焼き屋さんだろうし謙也や小石川か銀さんがいるならファミレスかもしれない。なんて勝手に想像して一日を過した。最後のホームルームも終わり教科書を全部ロッカーにしまった。せっかく遊びに行くというのにあんな重たいの持ち歩いていられない。白石は準備できただろうかと姿を探せば同じことを思っていたのかバッチリと目が合う。
「なまえ、行こか」
「うん!」
そう言って鞄を持つとスタスタ教室を出てしまう。あれ、謙也は来ないのか?と思ったがなんとなく聞くタイミングを逃してしまい下駄箱まで来てしまった。
「白石」
「ん?」
「謙也は来ないん?」
「こーへんよ」
一氏はきっと小春ちゃんと遊ぶだろうし、となると意外と財前が来るのか?靴を履き替えて扉前で待っていると白石が「行くか」と声をかけてきた。もしかして、これは、二人のパターンなのでは。だめだ、意識してしまうと緊張してしまう。いつも通り、平常心でと言い聞かせる。
やはり、というのかなんなのか。駅前に歩く姿は私達二人である。白石があれこれと話をふってくれるが右から左に耳を通り抜けていく。いつもどんな感じで喋ってたっけ、今の私は変ではないだろうか。そんなことを考えるから余計に会話に集中ができない。
「ついたで」
「もう!?」
「結構歩いたけどな」
元気やな、と笑いながら着いた先はかわいらしいカフェだった。ここのケーキが美味しいと聞いてやってきたようだ。甘い物が好きな私としてはテンションが上がり、自然といつもの感覚を取り戻した。
カランと音を立てて扉を開けると店員さんがやって来る。
「いらっしゃいませ、何名様ですか?」
「二人です」
「ピース!なんでピースしたん?」
店員さんに指を二本立てたものだから横からちょっかいをかけると盛大に笑ってお腹をかかえた。店員さんは笑いを堪えているようで小刻みに震えている。
案内された席につきオススメセットを注文をした。
「はーめっちゃ笑ったわ」
「そんなに?」
「彼氏になったらもっと楽しいんやろな」
サラッととんでもないことを言ったぞ。こちらも冗談で返せばいいのに、思わず吃ってしまう。そんな私を見て更に耳を疑う台詞を言葉にした。
「やっぱりなまえのこと好きやわ、俺と付き合わへん?」
顔に熱が集まるのがわかる。私も好き、そう口を開こうとしたところで「お待たせいたしました」と店員さんの声にって遮られた。