◇お前か、俺の弁当盗んだのは。(宍戸ver)

もうお弁当を忘れたことには慣れてきた。

今日は誰から頂こうか。とぼとぼと歩いていると中庭のベンチにぽつんと膨らんだビニール袋。中を覗いてみるとおむすびにパンがいくつか入っている。


「これって忘れ物だよね、食べ物を無駄にしたら駄目だよね」


というわけで

「いっただっきまーす!」

おむすび美味しい〜パンもお腹ふくれるから好きだなあ。そのベンチで座りながら一人もくもくと食べる。


「あれ?ここにあった飯知らねえ?」


人影ができたと思ったら私に声をかけているようだ。

「あれー宍戸じゃん、どうしたの?」

「ここにおむすびとパン入ったビニール袋置いてたんだけどよ、見当たらなくて」

ジュース買いに少し席離しただけなのに。そう言う宍戸に私はビニール袋をひょいと渡した。

「もしかしてこれ?」

「おお!サンキューな」

「どいたしましてー」

私はすっと立ち上がりその場を後にする。


つもりだった。


「おい待て、パン一つしか入ってねーんだけど?」





私はしばらく宍戸家に通い犬の散歩をするのだった。



お前か、俺の弁当盗んだのは。(宍戸ver)


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