これが恋だというのなら





転子は困っています。
いつもの様に夢野さんとお喋りをしていたのですが・・・

「んぁ・・・ウチは眠くて・・・肩を貸して・・・くれんかぁ・・・」

太陽の温かい日差しとお昼過ぎた時刻だったからか、夢野さんがそう言いながら転子の肩に、ぽすん、と頭を預けてきたんです。

「夢野さん・・・」
「んぅ・・・眠い、のじゃあ・・・」

そして、こんな状態で今に至るんです。
すやすやと寝息を立てる夢野さんの姿に、私は少しだけ肩の力を抜く。

(夢野さんは転子の気持ちはわからないんでしょうか・・・)

好きです、なんて言えるわけなくて。
でも言わなくても転子は幸せなんです。
だからせめてそばに居させて欲しい。

(なんて転子の我儘なんですけど)

「転子はいつだって夢野さんの味方ですからね・・・」

そう呟いては夢野さんの頭を撫でてはゆっくり流れる雲を見つめてはそっと目を閉じる。








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