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▽2017/06/22(12:00)
短編にも上げられないショートストーリーばかり思いついて、長文が書けないです。なんでだろ。サンクラちゃんが存在意義について考える話を書きました。変換ないです。追記からどうぞ。
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存在意義について。そう言われて、頭で考える前に例を口に出した。
たとえば机の上に1切れのパンがある。自分はお腹がペコペコで、食べなきゃ死んじゃう。でも、同じ状況のあるひとがこちらをじっと見ている。私が思うに、この瞬間、パンを譲るか、生のために争うかなら、奪い合うことでやっと相手の存在意義を認めるものとなる、と想う。
深く説明はしない。そう深く考えて出た論ではないからだ。
「つまりね、貴方は認められてここにいるのよ。劣等感だとか、孤独感だとか、そういったものは持つ必要がないの。だって、相手を認めて、自分を認めてもらって、それ以上に何を求めているの?」
水色の大きな機体は少しだけ動いたが、依然そこにある。黒のヘルメットを俯かせ、あかあかとした瞳を光らせるのみだ。何か言いたいなら言えばいいのに、このロボットは相当に参っているらしい。
「サンダークラッカー。あなたは1人の戦士だよ。透明の液体なんかじゃないわ」
そっと機体の足元に付いた翼に触れる。鋼鉄のそれはつるりとしていて美しい。彼は擽ったく思ったのか、あぐらをかいて伸ばしていた足を引っ込めた。
「あなたは相手がパンを取る姿を何もせずただ眺めているだけだっていうの?」
「それは違う。軍のために…自分のために…そんなことはしない。」
「つまり貴方はサイバトロンをちゃんと敵とみなして、一つの資源を取り合うことを悪くは思わないのね。」
航空機は黙った。本来の姿でないそれは、なんとも重苦しい空気を生んでいる。私は暗いのも、うじうじと悩み倒すのも、嫌いだった。言葉を促すと、彼はぽつぽつと、まるで言葉を知らないロボットのように語り出した。
「軍単位なら、俺は戦力だろう。でも戦力、所詮戦力だ。替えのある、ひとつの…。じゃあ俺が居なくなったら、代わりの誰かが戦場に出た時、誰が俺を思い出す。サイバトロンの1人でも、俺を思い出すか。…それは存在と言えるのか。俺の存在意義は、ただ、誰かの代打なのか」
手のひらがジンジン熱くなる。
オプティックがこれでもかと開かれた。
「じゃああなたが殺したサイバトロンの顔を思い出しながら戦ったことが今の1度でもあるの、あなたは。余裕ね。みんな生きるのに必死だよ。死んでいった者に敬意は払っても、生の前には力を持たない。パンは奪い合われてる。奪い合うことで互いの存在を証明してるの」
指が折れるんじゃないかという強い痛みが拳を襲う。
「ほら、私の存在を、存在意義を、教えてよ。」
弾かれたように私の首元を太い指が握った。
なぜそんなに泣きそうなのか、嗚咽混じりの声が遠くなる意識に木霊する。
不意に手が放たれた。
「パンが何かわからない」
ひどく切ない声だった。
20170622サンクラ
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