子どもみたい






休み明け教室に行くと
いつも挨拶してくれていた美南ちゃん達は
睨むだけで挨拶は勿論してくれなかった。
他の運動部の女子は挨拶してくれる。

HRギリギリにいつも通り宮治と角名くんが来て
角名くんは眠いのかすぐに机に顔を伏せてた。
HRが終わり授業の教科書出していると
宮侑がニコニコした顔で教室に入ってきた。



「ハル!バレボーありがとうな!」

「うん。」

「昨日はありがとな。
どうやった?試合、おもろかったやろ?」

「うん。皆んな上手かったし、
み、侑のは綺麗っていうか華麗だった。」

「せやろーせやろー!」

「ご機嫌。」

「ハル、別におだてんでもええからな。」

「大丈夫。ほんとにそう思ったから。」

「ほれみい!サムは余計やねん!」

「うっさいねんアホ。寝れんやろ。」

「侑はジャンプサーブも凄い強かったし、
治はセッターみたいにオーバー上手いし、
角名くんは体幹良いし身体が柔らかいんだね。
ブロッカーと上手くずらしてて止め辛そう。」

「バレー好きには堪らんやろ?
どうや?俺らの方が応援しがいあるやろ?」

「それとこれとは別。」

Σ「はあ!?(汗)」ゲーン!

「兵庫の大会は稲荷崎応援するけど、
全国大会は梟谷応援する。」

「欲張りさんやな!」

「だって梟谷だって見てるの面白いもん。」



特に末っ子木兎さんと3年生と京治との絡みが。
エースの木兎さんは一見皆んなを引っ張るリーダーだけど
浮き沈みが激しくて調子悪いとしょぼくれる。
それを上手く使う京治も上手だし、
フォローする3年生もかっこいい。
木兎さんのしょぼくれモードは教えない。



「梟谷セッターより俺のが上手いやろ。」

「上手いかもだけどタイプが違うし。
どちらかというと北さんみたいに堅実な感じだから。」

「なんやおもんな!」

「面白いのは木兎さんで充分有り余るよっ(笑)」



思わず思い出し笑いしてハッとした。
梟谷の話をして笑ったの久々だ。
まさか転校先で話すとは思わなかった。



「…アランくんもツッコミおもろいし。」

「どこで張り合ってんねん。」

「うっさいねんさっさと寝ろ!」

「もう授業始まるわ。ツムこそさっさと戻れ。」

「次も来るからな!(怒)」

「次体育だから来るな。」



侑は怒った様子で教室を出て行った。



「嘘でも応援するって言ったほうがいい?」

「ハルも案外頑固よな。」

「侑よりだよな。」

「全然嬉しくない!」

「ブフォッ(笑)」

「ははは!(笑)」



性格に問題ある人と一緒にされたくないな。