夕暮れの部活






お母さんにお使いを頼まれて家を出た。
今晩カレーだというのにカレールー忘れた。
別の日に回しても良いかと聞かれれば
口はすっかりカレーだったので自分が買いに行く。

自分の家からスーパーまで15分の距離になるから
5分で着くコンビニでいつものカレールーを買って
自分のお小遣いでデザートのゼリーも買った。
コンビニを出ると宮兄弟達バレー部が居た。



「お!ハルー!」

「おー」



侑は子どもかっていうくらい手を振るな。
隣にいるの先輩だろうに関係ないのね。
軽く手を振って先輩もいるのでお辞儀すると
面識のある北さんは軽く手をあげる程度だった。



「おやつでも買ったんー?」

「あとおつかーい!」

「夕飯なんやー!?」

「カレー!」

「カレーかぁ、ええなあ。」

「俺ん家もカレーがええ。」

「止めろカレー食いたなるやろ。」

「つうかこっち来いや!この距離で話さんと!」

「カレーが待ってるから無理ー!」

「食いしん坊か!(笑)
この間も腹減った言って帰ったし!」

「まあ、飯が待っとるならしゃあないよな。」



宮兄弟に軽く手を振って帰った。






ーーーー…*°



「今の子が梟谷やった子?」

「うん!東京もんやけどノリ良くてええねん。
今みたいに腹減ったー言うて帰る奴やけど。」

「治みたいやな!(笑)」

「そりゃ飯が大事やもん。」

「なぁ、治。今の子クラスで仲良うしとるか?」

Σ「え、あ、はい…(なんで北さんが気にすんねん(汗))」

「そうか。ならええけど。
この間な、クラスメイトにお前らとつるむなって
トイレで言われてたの聞こえてな。
言ってた奴ら出てきた時俺も注意したけど、
それで雰囲気悪なってたら俺も悪いし。」

「「え、」」

「そういや、能登らと最近話してないな…たぶん。」

「誰や能登って。」

「吹奏部の奴や。すぐ声掛けて来て
仲良うしてたと思うんやけど…」

「あの連れションの時じゃない?」

「なんで俺らとつるんだらあかんねん(怒)」

「俺にキレんなや。」

「だっておかしいやろ!
俺らと話すなってなんで他人が決めんねん!(怒)」

「嫉妬みたいなもんやろ。
でもあの子は言い返してて強い子や。
仲良うしてるんやったらええ。」

「そんなん当たり前ですよ!」

「席近いし毎日話してます。」

「お前らその吹奏楽の子になんか言うなよ?
余計ややこしくなると思うで。」

「なんでやアランくん!」

「言ったらたぶん告げ口したって思うで。」

「北さんから聞いたでええやん!」

「そうもいかんやろ。
嫌いな奴はとことん疑うやろし。」

「めんどくさ!なんやそいつ!(怒)」

「俺に言われても知らんて。」

「同じクラスやろ!しっかり見とけや!(怒)」

「じゃあお前はクラスメイトの名前全員言えるんか。
女子の名前もフルネームで!」

「興味ない名前の奴覚えるわけないやろ!(怒)」

「それと一緒や!」

「お前らもうバス来たからええ加減にせえよ。」



双子の言い合いは北によってピタリと止まるが
家についてしばらく双子は無言に怒っていた。