話さなきゃなのに






かおり先輩には話しますなんて言ったけど
なんて切り出してLINEすれば良いんだろ。
というかメッセージ送ったところで
とっくにブロックしてるのでは?
なんて考えてみるけど京治の事だから残してる。

メッセージ履歴を見ると胸が締め付けられる。
淡々としてあたしだけテンション高くて
それを包み込むように優しい言葉が並ぶ。
好きになった理由が余計深まって辛くなる。
謝って自分はどうしたいのか。
遠距離で毎日電話してくれる?
寝不足で学校で寝て部活に影響しない?

そういうのを話し合えば良かったのに
あたしは振られるのが怖くて自分から別れたのか。
その時の感情を思い返すとほんと自分勝手で嫌になる。



「ハル おはよう。」

「おはよー」

「おはよう」



もう二人が挨拶してくれるの慣れたな。
相変わらず美南ちゃん達はガン睨みだけど
運動部の女子とは仲良くなってお昼も一緒になった。
女バレの由衣ちゃんと知佳ちゃんとは特に。
だからあまり気にしなくなった。



「ハルってそういや向こうと連絡取ってるんか?」

「向こうって?」

「梟谷。」

「なん、なんで?(汗)」

「いや、携帯睨んどったから
連絡取ってんのか思って。」

「あたし睨んでた…?」

「眉間にシワ寄ってたで。」

「無意識だった…将来シワになる…!(汗)」

「そんなすぐならんやろ。
で、どうなん?」

「友だちとマネージャーの先輩とだけ
連絡取ってるけど…(つい昨日再開だけど)」

「ふーん。」

「何さ。」

「いや、聞いてみただけやし。」



治は時々口足らずな事がある。
何か思っているのに口に出さない。
言いたい事あるならどうぞとも言えない。
眉間にシワを寄せた理由聞かれたら終わるから。





「ハル おはよう。」




「お…おはよう…」



HRの間もなんて連絡しようか考えてて
終わったと思ったら侑がニコニコ顔で話しかけてきた。
なんか後ろに花のフィルターかかってるのは気のせい?
その爽やかな笑顔に他校は騙されてるのか。



「何?なんか怖いんだけど(汗)」

「なんで怖いねん 人の笑顔を!」

「なんか人を騙そうとする笑顔?」

「自分失礼やな!昨日のジュースのお礼で
おかえし持って来たのに!」

「え、ほんと?ありがとう」



侑はそう言って本当に
紙タイプのオレンジジュースをくれた。



「ハル 今週いつ休みなん?」

「木曜と日曜だけど、試合あるの?」

「日曜午前練だけで午後は体育館使えへんねん。
もーすぐテスト期間入るしな。」

「そっか、もうそんな時期かー
で?それとなんの関係があるの?」

「遊びいかん?観光してへんやろ?」

「!、行くっ」

「よし決まりや!」

「楽しみやな 観光ー」

Σ「お前誘ってへんやろがい!(汗)」

「目の前で言われたらそら行くやろ。」

「なんでやねん!邪魔すんなや!」

「楽しみだなー観光ー」

「お前もか角名!」

「この際 銀も誘ってあげてよ」

「なんで俺からやねん!皆んな邪魔や!」



この騒がしいメンバーで観光は心配だけど
神戸とか行ってないし結構嬉しいかも。



「ありがとう 侑。
日曜楽しみにしてるから!」

「!、おう…」



侑はそう言って何故かそっぽを向く。

そうか日曜か。
今週楽しみが出来ただけ心が軽い。
連絡して謝って怒られたり幻滅されても
日曜で気分を変えれば問題ない。はず。

あたしは思い切って今日
あの日以来ぶりに京治にメッセージを送った。




ーーーお疲れさまです。
   ちゃんと話したくて連絡しました。
   嫌でなければ返信下さい。




めちゃくちゃ他人行儀になったけど
これがあたしの精一杯だった。