柔らかい関係








ーーー今朝 木兎さんや雀田先輩に報告したよ。
   色々心配かけたから一応ね。
   木兎さんがこれ送って欲しいって言ってたから送るね。



そう言って京治から動画が送られてきた。
再生すると京治のトスでキレキレのストレートを
打つ木兎さんが撮れていて凄かった。
またさらに威力が増してる気がして嬉しかった。



ーーー凄い!さすが木兎さん!
   さらに威力が増してるから
   リベロ腕吹き飛んじゃうね!!

ーーーでた。遥の腕飛ばす例え(笑)



付き合っていた時より前のように
やり取りの内容はバレーで繋がっていた。

だって私たちはバレーが大好きだから。

前のようには戻れなくても
京治が笑ってくれてると嬉しい。
優しい文章を見るたびに胸が締め付けられる。
自分が悪いのに会うまで待ち遠しい。
会っても振られるかもしれないのに
やっぱり文章で好きが溢れてしまう。




「ハル おはよー!」

「おはよ …って侑 荷物くらい置いていきなよ
ここのクラスみたいに普通に来たけど(汗)」

「別にええやん」

「鬱陶しいねんお前」

Σ「はあ!?(怒)」

「侑が来ると一気に賑やかになるよね。」

「ハルまで喧しいとか思っとるんか!?」

「そこまでじゃないけど」

「そや ハル!日曜どこ行きたい?」

「え?どこって言われても…
こっちのこと知らないし どうしよ…」

「無難に南京町とか?」

「メリケンパークもええなあ」

「なんでお前らも行く気満々やねん(怒)」

「行くに決まっとるやろ」

「面白そうだから」

「俺はハルだけ誘ってんねん!(怒)
ハルもこいつらいたら邪魔やんな?
俺とだけ遊び行きたいやろ?」

「え?治や角名くん達も来るんだと思ってた。」

「な…!(汗)」ガーン



2人でとか京治に悪いし…
あれ、でも全員男しかもバレー部で
遊び行くとかそもそも恋人いたらアウトじゃ…
でも私からフッて別れたし、
でも復縁は望んでいることだし…
バレなきゃって意識持つのは違うし…



「(私…もし京治が他の子と出掛けてたら…)」

「ハール!聞いとんのか?
日曜13時に稲荷崎駅な!
メリケンパーク案内したるわ!」

「う、うん!ありがとう!」

「楽しみやなー!」



侑が満面の笑顔で楽しそうだから断りづらかった。

初めての神戸観光だし今回だけ
今回だけ侑のご厚意に甘えてガイドして貰おう。

侑がルンルンと自分の教室に戻っていくと
あれほど大声で約束の話をしていたからか
教室内で目線を感じてそっちに目を向けると
美南ちゃん達にやっぱり睨まれていた。

治もいるからそりゃ気に食わないよね…



「ハル」ボソ…

「ん?何角名く……ん」



角名くんに呼ばれて振り向いたら
私に合わせて屈んでたみたいで
目線があって顔が近くてビックリした



「?、またなんかあったら言いなね。
隠し事してると双子キレるから。」

「う、うん ありがとう」



角名くんも美南ちゃん達に気付いてたらしく
気に掛けてくれた。

日曜か…

神戸で電車乗って出掛けるの初めてだし
やっぱり少し楽しみかも



「……」