第二試合が始まる前、各グループは早速それぞれの場所に集まり、作戦会議を始めていた。
綺羅も瀬呂と耳郎と一緒に爆豪のもとへ集まる。
四人で戦う以上、あらかじめ役割を決めておいた方がいい。今回の対戦相手について分かっている情報は限られているが、少なくとも互いの得意分野くらいは把握しておきたいところだった。
けれど、こちらが話し合いを始めるより先に、爆豪が口を開く。
「テメェら俺の足引っ張んじゃねえぞ!」
いかにも爆豪らしい言葉だった。
それ以上細かな説明をするつもりはないらしく、爆豪はすでに戦闘エリアの方へ視線を向けている。
綺羅はその横顔を見ながら、少しだけ考えた。
爆豪が先頭に立つことは、ほとんど決まっているようなものだ。
ならば、自分たちはその動きを邪魔せず、必要なところを補えばいい。
耳郎はイヤフォンジャックで周囲を探ることができる。
瀬呂はテープによる捕縛と移動の補助ができる。
そして自分には、光粒子による攻撃とハロー・バインドがある。
それぞれの得意分野を考えれば、自然と役割は見えてくる。
綺羅は爆豪へ確認する。
「爆豪くんが先を進んで、響香ちゃんがイヤフォンジャックで常に周囲を警戒して、私と瀬呂くんがフォローする形でいい?」
爆豪は少しだけこちらへ視線を向けた。
短い沈黙のあと、
「…それでいい」
素っ気ない返事が返ってくる。
「分かった!」
綺羅は素直に頷いた。
自分の考えが合っていたことが嬉しくて、自然と表情が緩む。
隣では、瀬呂と耳郎が顔を見合わせていた。
「……よく分かったな」
瀬呂が感心したように言う。
「アタシも今のでそこまで読めなかったんだけど」
耳郎も少し意外そうに綺羅を見る。
「だって爆豪くんが一番前に出るのは分かるし、私たちはそれぞれ得意なことをすればいいかなって!」
綺羅は迷いなく答えた。
爆豪がどう動くかを考えるより、自分たちがどう動けば爆豪の邪魔をせずに済むか。
その方が分かりやすかった。
「なるほどなぁ」
瀬呂が納得したように頷く。
耳郎も「まあ、確かに」と小さく呟いた。
爆豪はそんな三人の会話を聞きながら、何も言わない。
ただ、試合の行われる訓練場へと視線を戻していた。
綺羅も同じ方向を見る。
もうすぐ、自分たちの番だ。
一戦目を見ていた時とは違う。
今度は自分たちが、あの複雑な工業地帯の中へ入る。
胸の奥が少しずつ高鳴っていく。
「よし……頑張ろう!」
綺羅が小さく拳を握ると、瀬呂が笑った。
「おう!」
耳郎も頷く。
爆豪だけは何も言わなかったが、その足はすでに戦闘エリアへ向かっていた。
三人もその後を追う。
それぞれの役割を胸に、四人は第二試合の開始を待った。
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