行きつけの喫茶があった。
少し古びた外観の建物で、扉を開けるとカランコロンと音がする。
その扉を開けた瞬間、私はタイムスリップする。
カウンターに座ればまず初めにメロンソーダをひとつ。
ぐるりとあたりを見渡せば壁一面にポスター。
松田聖子、中森明菜、中山美穂、小泉今日子…etc.....
店内bgmはThe CheckersのOne Night GIGOLO
心地よく歌に聴き入りながら、見たことも行ったこともない昭和という時代に思いを馳せる。
子供の頃から親が良く車で流していたのは昭和アイドルの曲だった。それを聴いて育った私はいつしか昭和アイドルの大ファンになり昭和という時代に憧れるようになった。
時代遅れだと友達に笑われたけど、私は昔の曲を聴いている方が落ち着くし楽しかった。
タイムスリップしたい…1度で良いから。そんなふうに毎日考えていたかもしれない。
その思いは藤井郁弥という男性に一目惚れしてから、より一層強くなった。
高校時代はフミヤやチェッカーズの曲ばかり聴いて、カラオケでもよく歌っていた。周りの友達に勧めてみたものの、誰も興味を示してくれなかったのが少し残念。
ある時、まるで昭和の時代に迷い込んだかのような喫茶と出逢った。
その喫茶がこのタイムスリップ喫茶なのだ。
平成 の曲は全く 流れない、この喫茶
レトロな雰囲気の店内にはレコードの山、店主は昭和生まれの昭和アイドル好きのおじさんだ。
色んなことを話してくれて、私の知らない昭和の話やエピソードを教えてくれる。
それが面白可笑しくて、つい時間を忘れて長居してしまう。
夢のような空間だった。
ただし、一歩その喫茶から離れれば現実に戻る。
今日はメロンソーダとナポリタンを注文。昭和の曲とアイドルに囲まれながら至福のひとときを過ごす。
名残惜しくも感じるが、いつまでもタイムスリップしていられる訳でもない。
扉を開けばまた、平成という時代に戻って行く。昭和という時代への憧れをいつまでも持ち続けながら平成という時代を生き、そしてまた新しい時代がやってくる。
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